生石高原の麓から

和歌山の歴史・文化・伝承などを気ままに書き連ねています

まかずの稲田 ~古座町(現串本町)古田~

 弘仁元年(810)2月、この地方を訪れた弘法大師が、古田の白石新兵衛友綱方へ現われた。佛道に篤い心をもち、また大師の説法に感じた友綱は、重畳山神王寺の開基に物心両面の協力をした。

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重畳山(かさねやま)の牛鬼退治 ~古座町(現串本町)神野川~

昔むかし。重畳山の奥山に「牛鬼」という怪物がいた。「われこそは」と、退治に出かける人は多かったが、だれ一人として帰って来た者はなかった。

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鯛島 ~古座町目津(現串本町古座)~

 目津海岸から約一キロ。海賊「藤四郎」で知られる九龍島(くろしま)の後に続くようにして鯛島が浮かんでいる。

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背美の子持ち ~太地町太地~

 太地の捕鯨は慶長11年(1606)に始まったといわれ、荒海での鯨との戦いは、いかにも勇壮。しかし、そのかげには多くの悲劇も生んだ。

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鯨えびす ~太地町太地~

 七福神で知られる恵比須さんは、海上、漁業、商業などの神として広く信仰を集めているが、この地に伝わる「えびす」は、鯨で名を売った男の話。

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おこない棒 ~那智勝浦町那智山~

 昔、那智山がいた。この鬼、里へ出てきては田畑を荒らし、村人たちを困らせる。
 そこで村人たち、一計を案じて鬼にいった。
 「もっとヒマな時に出てくればいいのに。ヒマなのは正月の元日から七日までや

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海中の井戸 ~那智勝浦町~

 紀の松島で知られる勝浦湾に「モグラ水道」と呼ばれる水脈が走り、海底から真水がわきでている。全国でも珍しい海中井戸だ。
 これは、文覚上人(1120~?)にまつわる、動物報恩の話。

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徐福の話~新宮市徐福町~

 国鉄新宮駅前から、東へ約100メートル。大きな樟が生い茂る小公園の中に、自然石の碑が建つ。碑面の字は「秦徐福之墓」。入り口には、やはり「史蹟 秦徐福墓」と刻んだ、高さ1メートルばかりの石柱。
 いつも香華の絶えることのないこの墓には、はるかな昔の、しかも海を距てた中国との、深い友情のきずなを語る話が伝わる。

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酒が足らんさけ ~新官市~

 酒にまつわる話は多い。しかも、その多くは酒が故の失敗談であったり、そのしくじりが喧嘩口論に発展したというものだが、いまも新宮で語られるこの話は、いわば「酒飲みのへ埋屈」であり、そのために身近な笑い話として残ったものだろう。

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