生石高原の麓から

和歌山の歴史・文化・伝承などを気ままに書き連ねています

日本霊異記の著者・景戒(和歌山市粟)

 「和歌山あれやこれや」のカテゴリーでは、和歌山県内各地に伝わる歴史や伝承などを気ままに紹介していきます。

 

 前回、前々回と飛鳥時代の呪術者・役小角(えんの おづぬ/おづの)に関連した霊場を紹介しましたが、前々回の「墓の谷行者堂」の項で詳述したように、「小角は不思議な能力を有し、自由自在に鬼神を使役していた」という伝承は「日本霊異記(にほん りょういき/れいいき)」という説話集に描かれた物語が原型となっているようです。
 今回は、その「日本霊異記」に関して、その作者が紀伊国名草郡楠見粟村(現在の和歌山市粟)と密接な関係を有していたのではないか、という論文を紹介したいと思います。

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堀越癪観音(かつらぎ町東谷)

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  前回は飛鳥時代に活躍したとされる呪術者・役小角(えんの おづぬ/えんの おづの 「役行者(えんの ぎょうじゃ)」とも)の母が没した場所と伝えられる「墓の谷行者堂(はかのたに ぎょうじゃどう)」を紹介しましたが、今回は役小角が母親の病気平癒を祈願して彫ったとされる仏像を本尊とする「堀越癪観音(ほりこし しゃく かんのん)」を紹介します。

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墓の谷行者堂(和歌山市直川)

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 前回は白鳳時代に建立されたと考えられている「上野廃寺跡」を紹介しましたが、今回はこれとほぼ同時代に活躍した伝説的なスーパーマン(呪術者)として知られる役小角(えんの おづぬ/えんの おづの 「役行者(えんの ぎょうじゃ)」とも)ゆかりの「墓の谷行者堂(はかのたに ぎょうじゃどう)」を紹介します。

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上野廃寺跡(和歌山市上野)

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 前回までは奈良時代に整備された南海道沿いの遺跡や史跡を順次紹介してきましたが、今回はそれらより少し前の白鳳時代(645~710※1)に建立されたと考えられている和歌山市上野の「上野廃寺跡(うえの はいじ あと)」を紹介します。
※1 歴史上の区分としては「飛鳥時代」に含まれるとするのが一般的であるものの、大陸文化の影響を受けて独自の文化が成立した時期であるため、美術史などの分野ではこの時期の文化を「白鳳文化」と呼び、その前の「飛鳥文化」、その後の「天平文化」と区分することが一般的となっている。このため、本来は美術史上の区分であった「白鳳文化」が花開いた時期を指して「白鳳時代」とする呼称もしばしば用いられている。
白鳳時代とは - コトバンク

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和歌の浦(和歌山市和歌浦南ほか)

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 前回は、「紀伊国と「大和国」との国境にあたる「真土(まつち)の飛び越え※1」について紹介しましたが、今回はここから南海道を西に向かい、紀伊国の北西端近くに位置する「和歌の浦」について紹介します。
※1 正確には当時の国境ではない。詳細については前項参照。

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真土の飛び越え(橋本市隅田町)

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 前回、前々回は、奈良時代紀伊国を治め、あるいは守護するために国家事業として建立された「紀伊国」及び「紀伊国分寺」を紹介しましたが、今回はこの「紀伊国」と「大和国」との境界にあたる「真土(まつち)の飛び越え」を紹介します。

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紀伊国分寺跡(紀の川市東国分)

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  前回は、奈良時代(710年~794年)に成立した律令制に基づき紀伊国を管理するために設けられた役所「紀伊国」の遺構と考えられる遺跡が、和歌山市府中の「府守神社(ふもりじんじゃ)」の近くで発見されたことを紹介しました。今回は、「国府」とともに全国に建立された施設である「国分寺」のひとつ、「紀伊国分寺(きい こくぶんじ)」を紹介します。

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紀伊国府跡(和歌山市府中)

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 前回、前々回は縄文時代の遺跡である高山寺貝塚鳴神貝塚を紹介し、それ以前は古墳時代の遺跡を順次紹介してきたところですが、今回は少し時代を下って奈良時代の遺跡である「紀伊国府跡(きい こくふ あと)」を紹介したいと思います。

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高山寺貝塚(田辺市稲成町)

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 前回は、近畿で最初に発見された縄文時代貝塚鳴神貝塚(なるかみ かいづか)」を紹介しましたが、今回はこれに勝るとも劣らないほどの重要性を持つ同時代の遺跡「高山寺貝塚(こうざんじ かいづか)」を紹介します。

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鳴神貝塚(和歌山市鳴神)

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 前回までは、和歌山県にまつわる古事記日本書紀に描かれた物語や、これとほぼ同時代の出来事であったと考えられている古墳の築造や古墳時代の遺跡などについて順次紹介してきましたが、今回は、これよりかなり時代を遡った昔、縄文時代の遺跡である「鳴神貝塚(なるかみ かいづか)」について紹介します。

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