来迎寺の境内は、すぐそばの通りの騒音が、まるでウソのような静けさだった。その広くもない境内に、高さ3メートル、幅1.2メートルほどの大きな碑があった。表に「太田城趾碑」。
春。加太の海辺は、静かだった。やがて潮干狩り、海水浴と、日増しに娠うであろう波打ち際には、気の早いこどもたちが、そこここに見えるだけ。打ち寄せる波も小さい海は、まだ半分眠りの中にあった。
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