平家物語の「耳なし芳一」に似た話が、このあたりに残されている。 紀州藩も浅野時代というから、16世紀末。 その藩士に渋谷文治郎という若侍がいた。ある年の夏、文治郎は「仙の前」という娘の亡霊に魅入られてしまったという。
「父母に孝行に 法度を守り 謙(ヘりくだ)り 奢(おご)らずして…」 和歌山城に近い岡公園の東側、太田萬造さん宅の前に据えられた、高さ1.5メートル、幅3メートルばかりの大きな石碑に、こう刻られている。世にいう「父母状之碑」。紀州徳川家初代藩主、頼…
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