山がちの紀州には珍しく、広々とした水田がひろがり、あちこちに桃畑とミカン畑が点在していた。そんな、のんびりとした田園地帯の片隅に、ひとつの碑があった。
車一台がどうにか通れるほどの、曲がりくねった道をたどると、生垣に囲まれた小広い一角に出た。 「ここが生家跡です。墓はすぐそこです」
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