一面に、桃畑がひろがっていた。ピンク色のみごとなジュウタンが姿を消したあとの畑では、濃緑の葉の中に、みずみずしい桃が、日ごとにいろどりを増して行く。桃山の一年は、桃に明け、桃に暮れる。
鎌足以来の名門、藤原主流の長実の子として生まれ、のち鳥羽天皇の妃、近衛天皇の母となった得子-美福門院(1117~1160年)閑居の地とされる「安楽川荘」。その一角に最近、小さな祠ができた。門院の遣骨を葬った地という。
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