2020-06-07から1日間の記事一覧
その昔、五右衛門という大男がいた。大泥棒の石川五右衛門と同名だけあってか、めっぽう負けん気が強く、イノシシを射つのが三度の飯よりも大好き。あるとき、山ヘイノシシ狩りに行ったが、その日に限って一頭も仕止めることができない。イライラしながら山…
(「紀州 民話の旅」番外編) 前項、前々項で由良町の興国寺を紹介したが、同寺には、天正2年(1574)、室町幕府第15代将軍である足利義昭が移り住んでいる。義昭は、その前年に行われた「槇島城の戦い」で織田信長に敗れたことから、京都を追放されたのであ…
由良町門前の「開山興国寺」。尺八を吹きながら、全国を托鉢して回る虚無僧の本山として広く知られているが、森閑とした境内にたたずむと、「沢山の天狗がすんでいた」という古くからの話が、いかにも現実味をおびてくる。
虚無僧の本山として知られる。尺八、金山寺みそ、しょうゆの元祖寺ともいわれる興国寺だが、かつては何度も火災にあい、そのたびに壇家や村人たちは途方に暮れていた。