生石高原の麓から

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万歳滝の地蔵 ~美山村(現日高川町)寒川~

  美山の山は深い。その山深い美山の一番奥まったところにある寒川地区から、さらに4キロほど上ったところに「万歳滝」というのがある。

 

 その滝の近くに、源太という暴れ者がいた。源太はある日、滝のお地蔵さんを道にひき出し、首を折ってしまった。通りがかった村人が「何をもったいないことを。バチ当りめが」と地蔵さんを洗い清め、元のところへおまつりし、その日はそれで一件落着。


 次の日、滝の上で山焼きがあった。ところが、燃えている山から突然、石が転がり落ち、深い谷を飛び越えると、川原にいた源太の母親に命中。母親は死んでしまったとか。明治のころの話だといい、村の人たちはいまも「物を大切にしないと、お地蔵さんが怒るぞ」とこどもたちにいい聞かせるという。

 

※万歳の滝は、寒川集落から朔日川の上流にある滝。遊歩道が整備されている。

 

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本ページの内容は、昭和57年に和歌山県が発行した「紀州 民話の旅」を復刻し、必要に応じ注釈(※印)を加えたものです。注釈のない場合でも、道路改修や施設整備等により記載内容が現状と大きく異なっている場合がありますので、ご注意ください。