生石高原の麓から

和歌山の歴史・文化・伝承などを気ままに書き連ねています

ふるさと誕生日イベントin海南市(1996.11.17)

 「イベント回顧録」のカテゴリーでは過去の個人サイトに載せていたイベントの記録などを再掲しています。

 

 今回は平成8年(1996)11月に行われた「ふるさと誕生日イベント」の記録です。
 下記の記録の中でも触れていますが、「ふるさと誕生日」とは、明治4年(1871)11月22日に和歌山県・田辺県・新宮県と五条県(旧高野領)の一部が統合し、現在の和歌山県が誕生した記念日です。この頃は「紀州ふるさと運動」として、ふるさとへの愛着を深めることを目的とした運動が活発に展開されている時期でした。

 

 当時、「ふるさと誕生日イベント」は県内各地で持ち回りで開催されていましたが、以下では平成8年に海南市で開催されたイベントの様子を紹介しています。ゲストは当時人気絶頂だった鈴木蘭々さんです。

 

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ふるさと誕生日 in 海南市

 明治4年(1871年)の廃藩置県の後、紀州和歌山県田辺県新宮県などの県に分かれましたが、同年11月22日にこの3県と五条県(旧高野領)の一部が統合し、現在の和歌山県が誕生しました。これを記念し、県民の方々にもう一度ふるさと和歌山を見つめ直し、ふるさと和歌山を愛していただこうと、この日を「ふるさと誕生日」と定めています。和歌山県紀州ふるさと運動推進協議会パンフレットより)

 

 ということで、今年のふるさと誕生日イベントは11月17日に海南市燦々公園日方小学校を会場として開催されました。今回の目玉はなんといってもウメッシュのCMで大人気(というよりもポンキッキーズのジャカジャカジャンケンの方が人気かな?)鈴木蘭々ステージでした。
 さて、それでは写真レポートです。

 

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 ふるさと誕生日ではすっかりお馴染みになった各市町村の特産品販売コーナーです。写真のすさみ町のコーナーでは、全国的有数の産地であるすさみレタスの即売が行われていました。このほか、各地の地酒、干物、梅干し、餅、工芸品、ぬいぐるみ、キャラクターグッズなど様々な特産品がお買い得な値段で販売されていました。

 

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 こちらはフリーマーケットのコーナー。ここでは衣類やアクセサリー、食器、絵本などが並べられ、お客さんと楽しそうに値段の交渉をしていました。いいもの、見つかったかな?

 

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 我が町、野上町からイベントに出演したのは「野上町吹奏楽」でした。総人員25名と小規模ではありますが、13年の歴史を持ち、中学生から70歳まで幅広い年齢の人々が参加するアットホームな楽団です。全国的にみても町が運営する吹奏楽団は2つぐらいしかないということで、貴重な存在でもあります。
 実は私も実際に耳にするのは初めてだったのですが、東京ブギウギをはじめとしてマンボやマーチなど5曲を見事に演奏し、大喝采を浴びていました。今後は定期演奏会を開催したいということですが、そのためにはもっともっと練習を重ねるとともに、団員数を一人でも増やしたいということです。パートはどこでも本人の希望を聞くということですので、もし興味をお持ちの方は野上町役場へ問い合わせてみてください。

 

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 マスコットキャラクター2体。青い制服の方は和歌山県警察のマスコット「きしゅう君」、そしてみかんの姿をしているのが紀州ふるさと運動のマスコット「あっぱれ君」です。

 

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 チョーヤのウメッシュをはじめ、日本リーバ、スズキ、ローソン、学生援護会、森永製菓、太田胃散など各社のコマーシャルに引っ張りだこ、今や「新CMの女王」とも呼ばれている鈴木蘭々海南市へやってきました。
 全国の鈴木さんの総本家が海南市にあるということがきっかけで今回の出演交渉を始めたということですが、スタッフもまさか本当に蘭々が来てくれるとは思っていなかったのではないでしょうか。しかし、ステージが始まれば、会場に集まった大人も子供も大興奮。「泣かないぞェ」から始まり、カバー曲をまじえながら「kiss」「magic」などのシングル曲を歌い、ラストは新曲の「・・・of you」(11月1日発売)で締めくくりました。
 ポンキッキーズに出演しているところから、お子さま向けのバラエティタレントのように思われがちな蘭々ですが、「・・・of you」のようなバラードを歌っても十分に聞かせるだけの歌唱力を持っているんですよね。思わず11月下旬発売というアルバムを買おうと思ってしまいました(^_^;)
※筆者注:鈴木姓の本家については、別項「鈴木屋敷」を参照されたい
鈴木屋敷 ~海南市藤白~ - 生石高原の麓から

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 このイベントから25年が経過した2021年、和歌山県は誕生以来150年を迎えます。
 これを契機に、県では「和歌山県誕生150年記念式典」を開催することになりました。詳しくは下記の特設サイトをご覧いただきたいと思いますが、同サイトでは「和歌山県の成り立ち、由来」について次のように解説していますので、参考に引用しておきます。
和歌山県誕生150年 記念式典

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和歌山県の成り立ち
 紀伊半島に位置する和歌山県は、古来「紀伊国(きのくに)」と呼ばれていました。国内には、伊都・那賀・名草・海部(あま)・安諦(あて)(在田(ありだ))・日高・牟婁の7つの郡があり、国府は今の和歌山市府中に置かれていました。
 以降、室町時代までは地方豪族や在地武士団の盛衰が繰り返されますが、天正13年(1585年)の豊臣秀吉紀州攻めによって、一応の平定をみることとなります。
 関ヶ原の戦い後、浅野幸長若山城に入り紀伊を治めましたが、元和5年(1619年)、紀伊と南伊勢を合わせた55万5千石の紀州藩として、徳川家康の第10子頼宣が若山城に入城し、紀州藩徳川御三家として重きをなしていました。このとき安藤水野両家老が田辺・新宮に支藩として配され、それぞれ田辺城(3万8千石)新宮城(3万5千石)を治めていました。
 明治2年(1869年)紀州藩は、和歌山藩田辺藩新宮藩の3藩に分けられますが、明治4年1871年廃藩置県によりそれぞれ藩から県に変わり、同年11月22日に3つの県と五條県の旧高野山領が統合され今日の和歌山県が誕生しました。

 

紀伊国和歌山県の由来
 和銅6年(713年)に、二字の好字を用いて国名をつけるようにとの中央官令があり、この時から「紀伊国」と表記されるようになりました。『日本書紀』ではこれを「きのくに」と訓(よ)み、これは本県がはじめ「木の国」と呼ばれていたことに由来します。
 また、「和歌山」の名の由来ですが、元々、和歌山というのは上代国府、藩政時代の藩主の居住地であった地の呼び名で、その名の由来については諸説あるうち、昔から和歌浦の名が最も知られていたので和歌山の名ができたという説が有力です。藩政時代には「若山」に統一された時期もありましたが、再び「和歌山」に改められました。
※本文は「和歌山県政史 第1巻」を参考にしています。

 

和歌山県の誕生日は11月22日
 和歌山県は誕生以来、多くの先人が今に至る歴史を紡いできました。平成元年7月に公布した「ふるさと誕生日条例」では、ふるさと誕生日を11月22日と定め、「県民が、郷土についての理解と関心を深め、ふるさとを愛する心をはぐくみ、自信と誇りをもって、より豊かな郷土を築きあげることを期する日」としています。

 

年表

明治4年1871年
和歌山・田辺・新宮三県を廃止し、和歌山県を設置
五條県を廃止し、旧高野山領を和歌山県の管轄とする(和歌山県誕生)

明治12年(1879年)
第1回県会開会、議員総数43人

明治23年(1890年)
トルコ軍艦エルトゥールル号が大島沖で遭難、死者587人

明治36年1903年
南海鉄道(現南海電気鉄道)(難波⇔和歌山市)が全線開通
和歌山市で電話開通

大正9年1920年
第1回国勢調査、県人口750,411人

昭和5年(1930年)
阪和電気鉄道(東和歌山(現和歌山駅)⇔天王寺)全線開通

昭和11年(1936年)
紀伊半島南部が吉野熊野国立公園に指定される
前畑秀子ベルリンオリンピック女子平泳ぎ200mで優勝

昭和13年(1938年)
和歌山県庁舎(現庁舎本館)が現在地へ新築移転

昭和20年(1945年)
和歌山市大空襲、死者1,212人※、和歌山城焼失
  ※は数値が資料によって異なるが、「和歌山市庶務課事務報告書」による

昭和24年(1949年)
国立和歌山大学設置
湯川秀樹が日本人初のノーベル賞(物理学賞)を授与される

昭和33年(1958年)
和歌山城再建

昭和40年(1965年)
紀勢本線に特急「くろしお」号新設

昭和43年(1968年)
南紀白浜空港が完成し、白浜⇔東京間に定期便を就航

昭和46年(1971年)
第26回国民体育大会黒潮国体」開催

昭和49年(1974年)
阪和自動車道開通(阪南IC〜海南IC)

昭和54年(1979年)
県立箕島高等学校野球部が甲子園で春夏連覇達成

平成6年(1994年)
和歌山マリーナシティが完成し、「世界リゾート博」開催

平成16年(2004年)
紀伊山地の霊場と参詣道」がユネスコ世界遺産に登録

平成18年(2006年)
平成の市町村合併で9市20町1村に

平成27年(2015年)
第70回国民体育大会「紀の国わかやま国体」開催
第15回全国障害者スポーツ大会「紀の国わかやま大会」開催
「みなべ・田辺の梅システム」が世界農業遺産に認定

令和3年(2021年)
和歌山県誕生150年