生石高原の麓から

かつて開設していた個人サイト「生石高原の麓から」の内容をブログ形式に移行しています

生石高原山開き&緑の感謝祭(1998.4.29)

イベント回顧録」のカテゴリーでは過去の個人サイトに載せていたイベントの記録などを再掲しています。

 

 今回は平成10年(1998)に行われた生石高原の山開きの記録です。
 生石高原は、標高870メートルの生石ヶ峰を中心に約13ヘクタールのススキ草原が広がっていることで知られており、最近は「インスタ映え」スポットとしても人気を集めています。

わかやま観光 生石高原 | 和歌山県公式観光サイト

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平成10年 おいし山開き&みどりの感謝祭


 「みどりの日」の4月29日、生石高原では今年も恒例の「山開き&みどりの感謝祭」が行われました。
 例によって、今年のレポートです。

 

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 生石高原の山開きを告げ、今年一年の登山者の無事を祈るための神事が厳粛に執り行われました。

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地元町や県関係者によるテープカットにより、今年の生石高原の登山シーズンが正式に開幕されました。

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 神事、テープカットが無事に終了した後、「みどりの感謝祭」というイベントが開催されました。各地で活動している「みどりの少年団」や各種の自然保護活動に携わる方々に対する表彰や、緑を守る宣言などが行われました。
 また、今年は「自然との共生」をテーマに和歌山県が進めている「ネイチャーフレンドシップキャンペーン」のPR活動も併せて行われました。

 

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 生石高原と言えば、なんといっても草スキー。この「山びらき」の日に、小さな子供がプラスチックのソリを持って来て草スキーを楽しんでいると、テレビ局や新聞社の取材でビデオや写真に撮られまくることがよくあります。自分の子供をマスコミデビュー(^^;させたいと思うなら、この日はちょっと狙い目ですぞ(笑)。

 

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 生石高原のシンボルとも言える笠石の上には、弘法大師を祀った祠があります。この祠は金屋町の生石地区の人たちが中心になって祀り続けており、山開き神事とは別に、弘法大師の祭事が行われています。

 

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 昨年まで生石高原の山頂駐車場は個人の所有地だったため、週末や夏休み期間は有料だったのですが、昨年野上町がこの土地を買い上げたことによって、常時無料で開放されることになりました。併せて、2箇所ある駐車場の下側(上側の駐車場は特別なイベントを除いては閉鎖されます)アスファルト舗装され、より快適に利用できるようになりました。

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 上記文中に登場する「ネイチャーフレンドシップキャンペーン」とは、和歌山県が平成9年(1997)から取り組みを開始した「ネイチャーフレンドシップ運動」に基づく広報・啓発活動のことを指します。


 この運動は、この頃からブームになりつつあったアウトドアレジャーの普及に伴って顕在化してきた自然破壊やごみの散乱などの問題に対し、県をあげて自然保護アウトドアのマナー向上に努めていこうとするものでした。

 

 このため、和歌山県では広報紙「県民の友」の平成9年(1997)6月号において大々的に特集を組んでネイチャーフレンドシップ運動への参加を呼び掛けています。

広報紙 | 和歌山県
※「バックナンバー」の項から「平成9年度 6月号 No.706」を選択

ネイチャーフレンドシップ運動
 人間は、自然とのふれあいを通じて、やすらぎと健康を得ることができます。
 しかし、人間がマナーを守らなければ、かけがえのない自然が傷つき、その機能が損なわれてしまいます。私達が自然からの恵みを受け続けるためには、アウトドアでのマナーを学ぶと同時に、自然の重要さを理解していく活動を進めていかなければなりません。そういった活動を通じて、素晴らしい自然と出会える和歌山を県内外へアピールすることをめざします。
 今年度は、まず、六月から本県で開催する「全国アウトドアスポーツフェア」をはじめ、様々な機会を通じ、「ゴミは持ち帰る」、「草木の乱獲をやめる」というアウトドアの基本マナーについて、皆さんに深く御理解いただけるよう、参加型の行事を中心に数多く計画しています。

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「県民の友」 平成9年6月号


 この運動のきっかけとなったのは、西口勇和歌山県知事(当時)が県内各地で開催していた「ふるさとふれあいトーク」において手渡された一通の手紙であった。上記の「県民の友」では、西口知事自身がこのきっかけについて次のように説明しており、あわせて紙上でその手紙の全文を紹介している。

拝啓 県民のみなさまへ

 本面に掲載している「美里の自然を愛する会」からのメッセージ、お読みいただけましたか。これは、県内各地域のいろいろなグループをお訪ねして、ざっくばらんな話し合いをさせていただく「ふるさとふれあいトーク」を開催したときに、いただいたものです。
 私は、このメッセージに心を打たれました。いくら全国に誇れる自然を持っていても、その自然の恩恵を受ける観光客と私達との間に、そして、私達人間と自然との間に、心が通い合わなければなりません。花も木も魚も悲鳴を上げるわけにはいかないのです。だから、地元の人にも県外の人にも自然の声なき声をわかっていただきたい。「ネイチャーフレンドシップ運動」は、そん な心から生まれました。
(中略)
 我々にやすらぎや健康をもたらしてくれる自然と共生できる「和歌山県=自然環境への好・高感度県」をめざして、検問の皆さんと共に、身近なことから取り組んでまいります。
    和歌山県知事  西口 勇

 

手紙(原文は手書き)
 農山村の人びとが悲鳴を上げています
 クルマや、いわゆる遊びグッズの急速な大普及、それらに引っ張られるかのような、アウトドアライフの大ブーム。高原に、川原に、海岸に、余暇と豊かさを謳歌する人、人、人。
 たいそう結構なことです。しかし、一面、山や村や海の人びとは悲鳴をあげています。何に悲鳴をですって?
 後々のことも考えずに根こそぎ持ち去られる野草、山菜。盗掘される希少植物、おびただしく残されるごみ、ごみ、ごみ。
 ウドは根こそぎ採ってしまうと来年は生えません。タラの芽は側芽のひとつも残さなければ枯れてしまいます。シュンランの花が山菜料理のお薦め品とは言語道断。あれは優雅で、しかも今や希少。落ち葉の上にひざまづいて観賞する花です。
 近くの生石高原などでは、ここ数年の間に、可憐な希少植物が激減してしまいました。ヒメユリ、ササユリ、マツムシソウナデシコ、各種のスミレなどなど、絶滅に瀕しているものが数え切れないほどです。
 釣りやキャンプのお客さま、ごみはどうかちゃんと始末してください。生ごみや、紙おむつまでそのまま捨ててお帰りになったら、汚れた水が、あなた方の水道水へ返って行くではありませんか。あなた方が捨ててお帰りになったバーベキューコンロや、水を含んだカーベットのしまつに、善意のボランティアの人たちが、どれほどの汗を流したことか。
 アユ漁の網入れのお客様、アユだけしか召し上がらないのなら、アユ以外の魚は、どうか、ていねいに網から外して逃がしてやってください。首を引きちぎって捨てるとは、あまりにも無残。オイカワも、カワムツも、カマツカも、アカザも、山の子どもたちの楽しい釣りの対象でもあり、清流の指標となる貴重な魚なのです。
 山や川へ遊びに来られる方々が、本当に自然の美しやその尊さが分かって、水や空気や生き物を大切にしてくださることを、私たちは、切に切に、祈るような気持ちで願っているのです。
                    美里の自然を愛する会