「イベント回顧録」のカテゴリーでは過去の個人サイトに載せていたイベントの記録などを再掲しています。
今回は、平成11年(1999)に和歌山マリーナシティで開催された「和歌山サマーレジェンド」というイベントの記録です。
「和歌山サマーレジェンド」は、1994年に同地で開催された「JAPAN EXPO 世界リゾート博」の記念イベントとして実施されたもので、同趣旨のイベントとしては「和歌山ルミナリエ(1995)」、「和歌山サマーナイトイルミネーション(1996)」、「和歌山ソレイヨン(1997)」、「和歌山マリンファンタジー(1998)」に続く5回目となります。
※「ソレイヨン」「マリンファンタジー」については下記の各リンク先を御覧ください(「ソレイヨン」の記事中で「ルミナリエ」についても言及しています)。
WIXAS Meet The World '97 in 和歌山ソレイヨン(1997.8.16) - 生石高原の麓から
"Meet the World '98" in 和歌山マリンファンタジー(1998.8.14) - 生石高原の麓から
また、この年は、「世界リゾート博」に続く本県2度目の「JAPAN EXPO(国の特定博覧会制度による認定を受けた地方博覧会) 」として、和歌山県南部地域全体を会場とする「南紀熊野体験博」が開催されていたため、和歌山市で開催されたこの「サマーレジェンド」でも「熊野」をモチーフとして取り上げていたことが特徴となっています。
※南紀熊野体験博については、別項「平成11年 生石高原山開き&緑の感謝祭」の後段で言及しています。
平成11年 生石高原山開き&緑の感謝祭(1999. 5. 3) - 生石高原の麓から
和歌山サマーレジェンド
和歌山市の沖に浮かぶ人工島「和歌山マリーナシティ」では、平成6年に「ジャパンエキスポ 世界リゾート博」が開催されました。その剰余金で運営されている「財団法人世界リゾート博記念財団」では、博覧会を記念して毎年マリーナシティを会場として光をテーマにしたイベントを開催しています。
平成7年「和歌山ルミナリエ」、平成8年「和歌山サマーナイトイルミネーション」、平成9年「和歌山ソレイヨン」、平成10年「和歌山マリン・ファンタジー」と続けられたこのイベントは、今年「和歌山サマーレジェンド」として8月10日から8月22日までの間開催されています。
今年は、南紀熊野体験博の関連イベントとして位置づけられ、大型映像装置で南紀熊野の市町村の紹介が行われるとともに、同博のCMキャラクターとなっている中村玉緒さんが「オープニングボイス」として声の出演をしていることでも話題になっています。
日没とともに、会場正面に設置されたシンボルオブジェ「ガイア」が点灯され、ショーがスタートします。
このオブジェは、画家・造形アーチストでもあるタレントの城戸真亜子さんがデザインしたもので、「熊野の雄大な自然」のイメージを女性の姿に模して表現されています。環境音楽の第一人者である小久保隆さんの作曲によるシンフォニーが鳴り響く中、このオブジェは色を変え、形を変えて、生命の誕生から繁栄、突如まき起こる争いと平和を壮大に表現していきます。
一夜に3回開催されるこのショーの最終回には、ヘリコプターからのサーチライトや巨大な水柱、花火などの特殊効果も追加され、和歌浦湾に浮かぶ人工島は幻想的な風景に包まれました
私が会場を訪れた8月14日(土曜日)は、ゲストに「パニクルー」が出演していました。
普段あんまりダンスには興味が無かったので初耳の名前だったのですが、98年の「ALL JAPAN STREET DANCE CONTEST」に優勝したチームで、メンバーの一人はイギリスのブレイクダンスコンテストで優勝した経験もあるという「由緒正しい」グループなのだそうです。
最初は、「ダンスなどというマニアックなステージが、年寄り子供の多い今日の観客を楽しませることができるんだろうか?」と、ちょっと斜に構えた見方をしていたんですが、すぐにそれが大きな誤解であったことが判明しました。
ショーのスタートはスタンダードなダンスアクション。でも結構アクロバティックな動きがあって、「次は何を見せてくれるんだろう」という興味を持たせます。その後、アナウンサーとのトークのコーナーではチームが「由緒正しい」ことを紹介。そして、9月に発売されるという全国発売のCDからボーカルのナンバーを2曲。
ここまでは一般的な構成なんですが、彼らの本当の見所はこの後から。なんと、「ポケモン、ゲットだぜ!!」のコールから、「サザエさん」のテーマ、さらには「武富士」のダンス、と思いっきりウケ狙いのプログラムが続きます。続いては60年代から90年代までの各種のダンスステップの紹介、ラストには「ストリートファイター」もかくやと思わせる格闘ゲームをダンスステップで再現、と約1時間、全然退屈させないステージでした。
これ、ホント、すごく面白いグループですよ。8月16日には南紀熊野体験博の田辺新庄シンボルパークで2ステージ予定されているそうですし、9月22日にはマキシシングルCDの発売、東京、大阪でのライブ開催、と活動が広がっていくようですから、これからどんどん私たちの目に触れる機会が増えてくると思います。ブレークするかもしれませんよ(^_^)。
(情報によると、彼らは「日本発のダンス芸人」なんだそうです。まさに、「言い得て妙」というところです。)
ショーの締めくくりは、毎年恒例の花火。今年は、和歌山マリーナシティ内の入り江から打ち上げられました。時間にして10分程の短いものですが、会場を埋め尽くした大勢の観客は十分に堪能して帰途につきました。
和歌山マリーナシティの中には、テーマパーク「ポルト・ヨーロッパ」とフィッシャーマンズワーフ「黒潮市場」があります。
この日も「黒潮市場」の中では、恒例の「まぐろの解体」が行われていました。ここで解体されたまぐろは、その場で鮨にして即売されます。大トロが3カン1,000円というリーズナブルな価格で提供されるこの鮨はいつでも大人気で、長蛇の列ができていました。
今回の記録では、ダンスパフォーマンスを演じてくれた「パニクルー(PaniCrew)」についてえらく熱く語っていますが、調べてみたところ、PaniCrewは現在もダンスパフォーマンスグループとして活躍しているようです。
Wikipediaによれば、もともと別々のチームで活動していたメンバーが、1998年に「3D Conection & New Power G」というユニット名で日本最大のストリートダンスコンテスト「JAPAN DANCE DELIGHT」に出場し、優勝。そのメンバーのうち8人で結成されたのがPaniCrewなのだそうです(本文中にあるとおり「 '98ジャパンストリートダンスコンテスト」でも優勝していますが、これはまた別の大会になります)。
PaniCrew - Wikipedia
本文でも言及されているように1999年9月22日にはマキシシングル「Project P」を発売しますが、これはまだインディーズレーベルからの発売だったようで、メジャーデビュー作は翌年の2000年11月22日に日本コロムビアから発売されたCD「DisCoNection」でした。
その後も、継続的にCDやビデオ・DVDをメジャーレーベルから発売しているほか、東京でレストランシアター「浅草六区ゆめまち劇場」を運営(2019年に契約満了により閉館)したり、各メンバーが舞台演出や振付指導など、さまざまな活躍をしている模様です。Wikipediaには各メンバーの実績なども掲載されていますが、こうしたエピソードの中から特に興味深いものをいくつか挙げてみたいと思います。
- 堀内和整は、インディーズ時代のPerfumeの楽曲「おいしいレシピ」の振り付けを担当した。
- 佐々木洋平は、アニメ「マクロスF」でランカ・リー(声優:中島愛)が歌う「星間飛行」の振り付けを担当した。
- 笠原康哉は、元格闘家の須藤元気が結成した「WORLD ORDER」の初期メンバー招集とダンス指導を担当したほか、AKB48チームドラゴンの曲「心の羽根」の振り付けも担当した。
- 森田繁範は、AKB48がウィークリーチャート初登場1位を初めて獲得した楽曲「RIVER」の前奏部分の振り付けを担当した。
なお、PaniCrewの最新の情報については、下記のオフィシャルWebサイトをご確認ください。
PaniCrew Official website