「イベント回顧録」のカテゴリーでは過去の個人サイトに載せていたイベントの記録などを再掲しています。
今回は平成13年(2001)に行われた生石高原の山開きの記録です。
近年は「インスタ映え」スポットとして人気を集めている生石高原ですが、ここでは毎年4月29日に山開き神事が行われるとともに、各種イベントが同時開催されています。
この日はあいにくの雨模様のお天気でしたが、予定どおり神事や餅まきなどの恒例行事は下記のように滞りなく進められました。
このブログでは平成8年(1996)以降毎年の行事を紹介していますので、生石高原に関する蘊蓄や山開き神事などについては過去の記事を参照していただけると嬉しいです。
生石山の弘法水 ~金屋町(現有田川町)生石~ - 生石高原の麓から
イベント回顧録 -02生石高原 カテゴリーの記事一覧 - 生石高原の麓から
4月29日の「みどりの日(当時)」、生石高原では恒例の「山開き&緑の感謝祭」が行われました。
今年はあいにくの天候で、例年のように多くの観光客は集まりませんでしたが、関係者によって神事や餅投げが行われ、今年1年の観光シーズンの無事を祈念しました。
雨天の中でも神事が厳粛に執り行われ、今年一年の登山者の無事を祈るための神事が厳粛に執り行われました。この最中に雨が徐々にあがりはじめ、神事が終わる頃には霧も晴れて周囲の山々が見渡せるようになったのは、やはり生石の神々の力によるものなのでしょうか。
地元関係者によるテープカットが行われ、観光シーズンが正式に開幕しました。
恒例の「餅投げ」。この日はあいにくの天候のため参加者が少なく、その分、参加した人は例外なく沢山の餅を手に入れることができました。
神事の後は、「みどりの感謝祭」の式典が開催されました。この式典では、緑化功労者の表彰や、「みどりの少年団」による緑を守る宣言などが行われました。
生石高原のシンボルであるすすき草原を守るためのボランティア団体「生石山の大草原保存会」が今年4月に発足しました。今回は、その保存会もPRテントを設けて、生石高原の貴重な草花等の写真を展示したり、会員募集のパンフレットを配布したりしていました。
上記文中にある「生石山の大草原保存会」は、和歌山県が主導して始められた「ネイチャーフレンドシップ運動※1」をきっかけとして盛り上がった生石高原のすすき草原保全活動の重要な担い手として立ち上げられた団体です。この活動は、やがて「生石高原の山焼き※2」につながっていくことになります。
※1 生石高原山開き&緑の感謝祭(1998.4.29) - 生石高原の麓から 後段参照
※2 生石高原の山焼き - 生石高原の麓から 参照
平成15年(2003)、同会はNPO法(特定非営利活動促進法)に基づく認定を受けて「特定非営利活動法人(NPO法人) 生石山の大草原保存会」となります。これにより法人として契約をかわしたり、法人としての資産を保有できることになりました。
現在、同法人は各種の自然保護活動のほか、生石山の山頂で喫茶・軽食・物産販売などを行う施設「山の家おいし」の指定管理者としての役割も担っています。
こうした具体的な活動については内閣府の「NPO法人ポータルサイト」で公表されていますが、これによると令和2年度には次のような事業を行っているそうです。
1.事業の成果
主目的であるススキ草原保護育成活動の推進とともに、次の各事業を実施した。
(1)遊歩道及び登山道の整備
遊歩道の補修や草刈を行い、ススキ草原への踏み込みを防ぐロープを遊歩道沿いに設置した。登山道を点検し、倒木を除去した。また、随時、遊歩道周辺のゴミ拾いを行った。(2)自然環境保全活動の啓発支援
地元紀美野町立小川小学校生徒の環境保全ボランティア活動(ススキ刈り取り会)の支援を行った。なお例年実施してきた親子自然塾は新型コロナウイルス感染症の流行拡大のために開催を取りやめ、海南高校大成校舎生徒による環境保全ボランティア活動は当日の雨のために中止した。(3)希少植物等の観察調査と保護
年間3回の定期的な観察会の実施の他、生育する希少植物等の観察調査を行うとともにその保護育成をはかった。また啓発看板等を設置するとともに山野草を採取しようとする人への直接の指導を行った。(4)ススキ植生の減衰防止活動
かねてから問題となっているイタドリ・ヤマヤナギ・トダシバなどの刈り取り駆除を行った。これらススキ植生の減衰を招いている植物の分布拡大を根本的に抑える対策はいまだみつかっておらず、今後の大きな課題である。(5)自然公園指導員活動
自然公園指導員として公園内のパトロールを行い、動植物の保護と健全な自然公園利用の在り方等についての来訪者への啓発を行った。(6)ツアーガイド活動
生石高原来訪者の要請によるツアーガイドを、団体に対し4回実施した。なお新型コロナウイルス感染症の流行のため、例年のようなバスツアー団体の来山ガイド要請はなかった。また、その基礎的知識技能向上のための学習会を年間9回企画し、雨天等での中止を除き6回実施した。(うち3回は定期観察会と同時開催)(7)生石山講座の実施
講師を招いて生石山に関して幅広く学習する講座を企画し、生石高原に自生する樹木、茅葺き文化と茅場の保全、生石山周辺に生息するほ乳類についての3講座を実施した。(8)すすきっこ通信
保存会会員に活動実施予定その他の情報を周知する葉書通信「すすきっこ通信」を年間9回発行した。(9)紀美野町山の家おいし管理運営に係る事業
年間を通して地場産品の販売促進に取り組み地域の活性化に貢献した。会員に対する食事代の割引を継続実施して会員の事業参加と山の家おいし利用を促した。