生石高原の麓から

和歌山の歴史・文化・伝承などを気ままに書き連ねています

「生石山の大草原保存会」による「すすき大刈り取り会」刈り取りボランティア募集(2002.10.29)

 「イベント回顧録」のカテゴリーでは過去の個人サイトに載せていたイベントの記録などを再掲しています。

 

 今回は平成14年(2002)11月に行われた生石高原の「すすき大刈り取り会」の告知を掲載します。

 

 この前年の告知(下記リンク先参照)を紹介した際にも解説しましたが、生石山の山上に広がるすすき草原は、平成9年(1997)に和歌山県が提唱した「ネイチャーフレンドシップ運動」のひとつのシンボルとして位置づけられ、これによって保全・再生活動が本格的に始動しました。その後、平成13年(2001)にボランティア団体(現在はNPO法人として「生石山の大草原保存会」が結成されて、これ以降はすすき草原の維持管理や観光客への啓発活動などはこの団体を中核として県・市町村がこれに協力する形で進められることになったのです。
「生石山の大草原保存会」による「すすき大刈り取り会」(2001.10.11) - 生石高原の麓から

 

 上記リンク先にあるように、生石高原のすすき草原は人の手が加えられることにより維持されてきたものであったため、今後もこの環境を保全していくには将来にわたってすすき草原の管理作業を行っていくことが不可欠なのです。こうした中、これまで継続的に実施されてきた「すすき刈り取り」の活動はやがて「山焼き」へと繋がっていくのですが、これについてはあらためて後段で解説したいと思います。

 まずは当時のボランティア募集告知をご覧ください。

 

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美しい「すすき草原」を作るため、あなたの力が必要です。
生 石 高 原
第5回 [すすき大刈り取り会]
刈り取りボランティア募集

 

生石高原

 その自然の素晴らしさと、そこに生きる植物・昆虫・鳥類・動物や、その歴史文化などすべてを、次の世代に、残し伝えるため <生石山の大草原保存会> は、発足しました。会では、その中心的な活動として、[すすき草地]の保全・育成のため[すすきの大刈り取り]を実施します。

 この刈り取りは、県や関係一市四町を中心に続けられてきたもので、昨年度よりそれを引き継いだものです。

 主旨に賛同し、同[すすき刈り取り]作業をするボランティアを、下記の要領で募集します。([すすき草地]は、放置されると、樹林化して行きます。)

 

◆開催日    /平成14年11月23日(土)
  f:id:oishikogen_fumoto:20211025140726g:plain ※雨天の場合は11月24日(日)
◆集合場所    /生石山頂、野上町立<山の家おいし>前
◆集合時間    /午前10時00分
  (受付開始は9時30分)
◆終了時間    /午後3時00分(予定)
  (半日の参加も歓迎します)
◆内  容    /カマによる、すすきの刈り取り作業
  (カマをお持ちの方は、ご持参ください)
  ※昼食は、各自でご用意下さい。

 

●参加ご希望の方は、参加申込書に必要事項を記入の上、下記まで郵送又はファックスにて申込ください。

[生石山の大草原保存会]

(連絡先 略) 

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 後ほどこのブログでも紹介していきますが、これまで継続されてきた「すすき刈り取り」の活動はやがて本格的な「山焼き」の実施へとつながっていきます。これ以後のおおまかな流れは次のようになります。

2002年11月 第5回すすき刈り取り会
2003年 3月 生石高原に防火水槽2基(計100t)完成
試行的山焼き(約3,000平方m)実施
2003年度 生石高原に防火水槽2基(計200t)完成
2003年11月 第6回すすき刈り取り会
2004年3月 本格的山焼き(約31,000平方m)実施
※一般的には、2004年3月の本格的山焼きの実施をもって「第一回山焼き」とすることが多いが、資料によっては2003年3月の試行的山焼きを第一回とみなすものもある。また、試行的山焼きが「2002年度」であったことから「山焼きは2002年から実施している」とする誤った報道がなされたケースもあり、生石高原の山焼きの開始時期については混乱がみられるので注意が必要。