生石高原の麓から

和歌山の歴史・文化・伝承などを気ままに書き連ねています

那智勝浦シンボルパークの様子(1999.6)

 「南紀熊野体験博の記録」のカテゴリーでは、過去の個人サイトに掲載していた記事のうち、「JAPAN EXPO 南紀熊野体験博(1999.4月~9月)」に関するものを再掲していきます。

 

 前項の記事では開幕直後の田辺新庄シンボルパークと中辺路いやしの広場の様子を紹介していましたが、今回の記事は開幕から約1か月後に那智勝浦シンボルパークを訪れた際の様子を紹介しています。

 例によって、当時のインターネット環境の制約によりかなり解像度の低い写真しか掲載できていませんでしたので、あしからずご了承ください。

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那智勝浦シンボルパーク
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 4月29日に開幕した「JAPAN EXPO 南紀熊野体験博 リゾートピアわかやま'99」。スタート以来約1か月を経過して、シンボルパーク及び各イベントの参加者は77万人を数え、目標の200万人参加に向けてまずまずの滑り出しとなりました。
 田辺新庄シンボルパークについては前回レポートしましたが、このたび那智勝浦シンボルパークに行って来ましたので、そのレポートをお届けします。

 

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 那智勝浦シンボルパークには、松本零士氏がキャラクター制作を担当した体感シアター「南紀熊野くろしおエクスプレス1999」があります。その内容をパンフレットからご照会しましょう。

 「海のゾーン」の映像シアターでは、博覧会初登場の「3Dヘッドギア・モーションライド」を採用。迫力ある3D映像と、それに会わせて動くシートで、南紀熊野の自然とリゾートが体感できます。
 入館者は2人乗りのライドに乗り込み、主人公「テツロウ」の案内により、南紀熊野の自然を体感してゆきます。はたして、「テツロウ」と入館者は海の精や山の精に会うことができるでしょうか。そしてこの素晴らしい自然を守ることができるのでしょうか。

 

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 那智勝浦シンボルパークそのものの敷地は非常にコンパクトですが、その目の前には雄大那智海水浴場(ブルービーチ那智が広がっています。
 パビリオンやイベントのスケジュールに追いまくられることなく、この風景を、砂浜を、そして潮風を、実際に自分の目で、耳で、手で、足で「体験」することこそが「南紀熊野体験博」の提供するものなのです。

 

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 とはいうものの、「お祭り」といえば、「食べ物」というのはどうしたって切り離せないものでしょう。那智勝浦シンボルパークにも、地元特産の「マグロ」や「熊野牛」を使った料理をはじめとする飲食・物販のコーナーが設けられています。
 暑い日差しの下で、熊野牛のバーベキューをほおばりながらよく冷えたビールをぐいっとあおる・・・う~ん、これぞ「至福の瞬間」というやつですね(^_^)。

 

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 この日のイベントは、「日高高校合唱部」のコンサートが開かれていました。「合唱部」といっても、クラシックではなく、ポピュラーソング主体で、ギターやドラムも入ったなかなか楽しいコンサートでしたよ。

 

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 那智勝浦シンボルパークと半潜水型水中展望船「くまりん」の乗り場を結ぶ「シーサイドトレイン」。  那智海水浴場を端から端まで横断するこのトレインは連日大人気です。

 

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 こちらが半潜水型水中展望船「くまりん」那智漁港を出港して、那智湾内を一周します。
 普通の「グラスボート」は底がガラス張りになっていて上から海中を覗くようになっているのに対して、この半潜水型水中展望船は客席そのものが海中にあって、客席の左右の窓から海中をゆっくりと眺められるのが特徴です。
 乗船は無料ですが、整理券が必要となっています。大人気のアトラクションで、乗船まで1~2時間待ちが普通ですから、シンボルパークについたらまず最初に整理券を入手されることをお奨めします。

 

※上記の記事は1999年6月に個人のWebサイトに掲載したものを再掲しました。

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 那智勝浦シンボルパークは、JR那智駅に隣接する那智海水浴場と那智公園に設けられたイベント会場です。博覧会の会場として考えるとかなり小規模なものですが、全長約800mに及ぶ那智海水浴場も会場の一部として利用しているため、全体として太平洋に開かれた広大な空間が会場であるとも考えることができます。
 この会場について「南紀熊野体験博 公式ガイドブック」では次のように紹介されていました。

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 博覧会終了後に発行された「南紀熊野体験博 公式記録」によると、那智勝浦シンボルパークの入場者数は596,000人を数え、これはより交通利便性の高く、規模も大きかった田辺新庄シンボルパークの633,000人と比較しても全く遜色のない数字であったと言えるでしょう。

 また、「公式記録」では那智勝浦シンボルパークの様子を次のように紹介しています。

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 このときに「動くパビリオン」として導入された半潜水型水中展望船「くまりん」は、水面下にある船体の下部が展望室になっており、乗客は座席の窓から水中の様子を眺めることができるようになっていました。

 なお、この「くまりん」そのものであるかどうかは不明ですが、現在、同型の船が串本町の「串本海中公園」において「半潜水型海中観光船 ステラマリス」として運行されており、引き続き人気を集めています。
半潜水型海中観光船 ステラマリス | 串本海中公園 | 海と水族館を丸ごと楽しめる複合施設