「南紀熊野体験博の記録」のカテゴリーでは、過去の個人サイトに掲載していた記事のうち、「JAPAN EXPO 南紀熊野体験博(1999.4月~9月)」に関するものを再掲していきます。
今回の記事では、南紀熊野体験博閉幕(9月19日)の直前となる9月15日までの参加者について、実行委員会から発表された数字を紹介します。
南紀熊野体験博は、和歌山県南部(南紀熊野地域)を直接対象地域として、平成11年(1999)4月29日から9月19日までの144日間にわたって開催された地方博覧会です。通常はゲートで区切られた会場があり、そこに入場券を購入した観客が入っていくことで「入場者」とカウントされるのですが、南紀熊野体験博の場合は「オープンエリア型博覧会」という形式を取っていたことから一般的な「入場者」という概念を当てはめることができませんでした。このため、2か所に設けられた「シンボルパーク」への来場者に加えて、南紀熊野体験博の一環として開催された対象地域内の全てのイベントの参加者を含めたものを「博覧会参加者(動員数)」と位置づけることになっていました。
平成6年(1994)年に和歌山市・海南市沖の人工島「和歌山マリーナシティ」で開催された世界リゾート博では、入場者の目標数を150万人と設定していたのに対して294万人もの参加者を得て「大成功」と評価されたのに対し、南紀熊野体験博では「シンボルパーク」のパビリオン等の施設が「世界リゾート博」と比較すると非常に小規模であることや「オープンエリア型博覧会」というコンセプトが一般にはなかなか理解され難いであろうことなどの懸念材料があり、とりあえず「南紀熊野体験博参加者延べ人数 200万人」という目標を掲げてはいたものの、この数値目標がどれぐらい達成できるものか、関係者は相当に気を揉んでいる状態でした。
こうしたなか、閉幕直前に実行委員会から発表された参加者数の集計結果が発表されることとなりました。さて、その結果はいかに!
南紀熊野体験博実行委員会が発表した「JAPAN EXPO 南紀熊野体験博 リゾートピアわかやま'99」の参加者数は下記のとおりです。
1 参加者数(4月29日~9月15日)
施 設 | 参加者数累計 | ||
シンボルパーク | 1,105,300人 | ||
田辺新庄 | 577,300人 | ||
那智勝浦 | 528,000人 | ||
熊野古道※ | 353,970人 | ||
拠点施設 | 199,970人 | ||
熊野古道13コース | 154,000人 | ||
テーマイベント | 50,461人 | ||
熊野御幸記古道ウォーク | 16,011人 | ||
清姫淵・大斎原等 | 20,270人 | ||
黒潮マリンスポーツ・フェスティバル | 13,380人 | ||
黒潮自然ふれあい王国 | 800人 | ||
地域イベント | 1,347,693人 | ||
(新規) | 439,375人 | ||
(継続) | 908,318人 | ||
リゾート体験イベント | 24,643人 | ||
合 計 | 2,882,067人 |
※熊野古道を訪れた人数は、体験博実行委員会が定めた「おすすめ13コース」内を歩かれた方と3拠点施設(中辺路いやしの広場、本宮よみがえり館、大門坂みたし茶屋)への来場者の延べ人数です。
2 特記事項
(1)シンボルパーク参加者
項目 | 田辺新庄 | 那智勝浦 | 2会場合計 |
開会からの 平均参加者 |
4,124人 | 3,771人 | 7,895人 |
参加者最多日 | 8/29(日) 22,000人 |
8/14(土) 40,000人 |
8/14(土) 49,000人 |
(2)リゾート体験イベント
参加人員・参加率
9月15日までの参加人員は7,401人で、募集人員8,676人に対する参加率は85.3%でした。なお、4月 から9月15日までのトータルの参加率では58.4%となります。
催行率
9月実施は122コースで、催行率は74.4%でした。
上記の数字は9月15日時点でのものでしたが、博覧会終了後に発行された「南紀熊野体験博 公式記録」によるとこの数字は最終的に下記のとおりとなり、参加者数は310万人を超える盛況ぶりとなりました。
施 設 | 参加者数累計 | ||
シンボルパーク | 1,230,000人 | ||
田辺新庄 | 633,900人 | ||
那智勝浦 | 596,100人 | ||
熊野古道 | 365,700人 | ||
拠点施設 | 206,700人 | ||
熊野古道13コース | 159,000人 | ||
テーマイベント | 50,587人 | ||
10万人の熊野詣 | 36,407人 | ||
黒潮マリンスポーツ・フェスティバル | 13,380人 | ||
黒潮自然ふれあい王国 | 800人 | ||
地域イベント | 1,431,649人 | ||
リゾート体験イベント | 28,034人 | ||
合 計 | 3,105,970人 |
南紀熊野体験博と同様に国の「特定地方博覧会制度(通称:ジャパンエキスポ)」の認定を受けた博覧会は全部で12回開催されており、その詳細は別項「南紀熊野体験博 開幕!(1999.5)」で紹介していますが、下記にもあるようにそれぞれの博覧会の参加者は概ね200万人前後というのが通例となっています。もちろん南紀熊野体験博は基本的に入場無料のオープンエリア型博覧会という他とは根本的に異なる形式のイベントであり、同じ基準で比較することはできないとはいえ、300万人を超える参加者を得たことは誇るべきことであろうと考えます。
南紀熊野体験博 開幕!(1999.5)
ジャパンエキスポの入場者数
名 称 | 入場者数 | |
第1回 | ジャパンエキスポ富山(1992) | 237万人 |
第2回 | 三陸・海の博覧会(1992) | 201万人 |
第3回 | 信州博覧会(1993) | 240万人 |
第4回 | 世界リゾート博(1994) | 294万人 |
第5回 | 世界祝祭博覧会(1994) | 351万人 |
第6回 | 世界・焱の博覧会(1996) | 255万人 |
第7回 | 山陰・夢みなと博覧会(1997) | 193万人 |
第8回 | 国際ゆめ交流博覧会(1997) | 106万人 |
第9回 | 南紀熊野体験博(1999) | 310万人 |
第10回 | 北九州博覧祭2001(2001) | 216万人 |
第11回 | うつくしま未来博(2001) | 166万人 |
第12回 | 21世紀未来博覧会(2001) | 251万人 |