あの大盗賊、石川五右衛門が、根来寺にいたという。
根来寺に近い集落の中に「室家番」「室家垣内」と呼ばれる一角がある。そのほぼまん中あたりが、室家右兵衛尉忠家(むろや うひょうえのじょう ただいえ)の屋敷跡とか。
山あいに、かくれるようにして大きな池があった。春まだ浅いせいか、冬枯れの野面には、人の影はなく、動くものといえば、冷たい風にそよぐ枯れすすきだけ。 古来、水にまつわる話は、余りにも多い。この住持が池も、大蛇に化身した深草少将と、絶世の美人と…
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