生石高原の麓から

和歌山の歴史・文化・伝承などを気ままに書き連ねています

03復刻&解説「紀州 民話の旅」-10紀美野町

茶わん渕 ~美里町(現紀美野町)~

初生谷(ういだに)を過ぎ、真国川をさらに奥へ入ると、金の茶わんが流れてきたという鍋谷川がある。山深く、訪れる人も少ないが、孝行娘の話が残っている。

天狗岩 ~美里町(現紀美野町)初生谷~

美里町も那賀郡桃山町に近い初生谷(ういだに)の滝の奥に、二重になった大きな岩がある。いまから300年ほど昔のこと。この岩が、村人たちの話題を集めた。「人のカでは、とてもあんな大きな岩は運べない。天拘が運んだんでは」「天拘が運んだのなら、転がす…

蛇岩大明神 ~美里町(現紀美野町)上ケ井~

弘法大師が上ケ井(あげい)の里を通ったとき。道にいた小さな蛇をまたいだところ、蛇は「わしは上ケ井の里の守り神じや。またぐとは何じゃ」と怒り、見る間に大蛇になった。そして「わしは大きくも小さくもなるんじゃ」と、今度は小さくなって岩の中へ入っ…

べんずりさん ~野上町(現紀美野町)釜滝~

「釜滝薬師」は別名「べんずりさん」。眼の病気を治してくれるという。

興津権之丞 ~野上町(現紀美野町)奥佐々~

約400年前、生石山のふもとに興津権之丞という、弓の名人が住んでいた。農民の味方で、村には梅が多いことから、「梅本殿」といわれるほど尊敬されていた。