生石高原の麓から

和歌山の歴史・文化・伝承などを気ままに書き連ねています

03復刻&解説「紀州 民話の旅」-30串本町

勘九郎(かぐろ)磯 ~古座町(現:串本町)津荷~

津荷漁港から古座寄りの「津荷の鼻」を回った広い荒磯に、悲恋に散った兄妹の話が残る。

まかずの稲田 ~古座町(現串本町)古田~

弘仁元年(810)2月、この地方を訪れた弘法大師が、古田の白石新兵衛友綱方へ現われた。佛道に篤い心をもち、また大師の説法に感じた友綱は、重畳山神王寺の開基に物心両面の協力をした。

重畳山(かさねやま)の牛鬼退治 ~古座町(現串本町)神野川~

昔むかし。重畳山の奥山に「牛鬼」という怪物がいた。「われこそは」と、退治に出かける人は多かったが、だれ一人として帰って来た者はなかった。

鯛島 ~古座町目津(現串本町古座)~

目津海岸から約一キロ。海賊「藤四郎」で知られる九龍島(くろしま)の後に続くようにして鯛島が浮かんでいる。

橋杭の立岩 ~串本町鬮野川(くじの川)~

古座町姫の国道わきから、約2キロを距てた大島に向かって、大小30余の岩礁が立ち並ぶ。高さ20メートルの、切りたった大岩も含めたそれは、文字通り一直線。ちょうど橋ゲタのように連なる。

お雪の墓 ~串本町大島~

大島は、太平洋戦争の頃まではむしろ、串本の町より賑わった。とくに徳川三百年の間。江戸へ通う船乗りたちのオアシスとして重宝された。

鯨のお礼~串本町有田~

有田稲村の米吉というこどもが、命を助けてやった鯨の背に乗ってアメリカヘ渡り、そこの森の神さまから巨木をもらって帰った。「以前、お米をもらったお礼です」。少年はそういって、巨木を金持ちの家へ贈った。

おおな魚~串本町和深~

おおな魚。春、菜の花の咲く頃から釣れはじめ、5月末までがシーズン。和名イシナギ。本州南岸では和深沖の「おおな地」だけで釣れるという。