生石高原の麓から

和歌山の歴史・文化・伝承などを気ままに書き連ねています

2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

徐福の話~新宮市徐福町~

国鉄新宮駅前から、東へ約100メートル。大きな樟が生い茂る小公園の中に、自然石の碑が建つ。碑面の字は「秦徐福之墓」。入り口には、やはり「史蹟 秦徐福墓」と刻んだ、高さ1メートルばかりの石柱。 いつも香華の絶えることのないこの墓には、はるかな昔の…

酒が足らんさけ ~新官市~

酒にまつわる話は多い。しかも、その多くは酒が故の失敗談であったり、そのしくじりが喧嘩口論に発展したというものだが、いまも新宮で語られるこの話は、いわば「酒飲みのへ埋屈」であり、そのために身近な笑い話として残ったものだろう。

美少女おいの ~新宮市新宮~

「好いた同志のうれしい首尾で 心浮島ひとめぐり」。 新宮節にもうたわれている天然記念物「浮島の森」は、いまなお神秘的な雰囲気をただよわせる。そして、その神秘さをそのまま語るような話が伝わる。

橋杭の立岩 ~串本町鬮野川(くじの川)~

古座町姫の国道わきから、約2キロを距てた大島に向かって、大小30余の岩礁が立ち並ぶ。高さ20メートルの、切りたった大岩も含めたそれは、文字通り一直線。ちょうど橋ゲタのように連なる。

お雪の墓 ~串本町大島~

大島は、太平洋戦争の頃まではむしろ、串本の町より賑わった。とくに徳川三百年の間。江戸へ通う船乗りたちのオアシスとして重宝された。

鯨のお礼~串本町有田~

有田稲村の米吉というこどもが、命を助けてやった鯨の背に乗ってアメリカヘ渡り、そこの森の神さまから巨木をもらって帰った。「以前、お米をもらったお礼です」。少年はそういって、巨木を金持ちの家へ贈った。

おおな魚~串本町和深~

おおな魚。春、菜の花の咲く頃から釣れはじめ、5月末までがシーズン。和名イシナギ。本州南岸では和深沖の「おおな地」だけで釣れるという。

権八地蔵 ~すさみ町江須ノ川~

明治の初年、すさみ町里野の東海岸にある大きな洞窟に、三人の親子が住んでいた。父親は伝次、母親はたま、男の子はたまの連れ子で権八といい、毎日、門づけに歩いた。

小山肆成(こやま しせい)~日置川町(現白浜町)久木~

久木に、わが国で初めて天然痘の予防ワクチンを開発した、小山肆成の生家跡がある。