03復刻&解説「紀州 民話の旅」-23白浜町
久木に、わが国で初めて天然痘の予防ワクチンを開発した、小山肆成の生家跡がある。
神宮寺から寺山、安居地区にかけた水田地帯に、いまも古い水路が流れている。「安居(あご)用水」とも呼ばれるそれは、安居の庄屋、鈴木七右衛門重秋の手づくりの暗渠という。
日置安宅(あたぎ)の水軍は、戦国から江戸時代にかけ、熊野全域に強い勢力を誇った。
いまから数百年の昔。大阪淀屋の千石船が江戸へ向かっていた。ところが紀伊半島を回るころ、急に空模様が変わり、高波が出て、船は木の葉のように揺れた。
瀬戸浦にある小さな神社は、海の神さま。かつて田辺の沖を通る船は、海に供物を投げた。瀬戸浦の船主は、祭礼になるとノボリを立て、にぎやかに参拝したという。