03復刻&解説「紀州 民話の旅」-22日高川町
美山の山は深い。その山深い美山の一番奥まったところにある寒川地区から、さらに4キロほど上ったところに「万歳滝」というのがある。
スギとヒノキが、みごとな幾何学模様を描く美山の里。そんな山深い里にふさわしい話が、いまも語りつがれている。
(「紀州 民話の旅」番外編) 前項「清井之上の話」では、平家の落人伝説が残されている旧美山村の「清井之上(せいのうえ)」地区について紹介したが、この集落について「美山村史」では「木地師(木地屋)」が大きな役割を担っていたものとの考察を示して…
深い山ヒダを流れ下る初湯川。その上流に近いあたりに、ひっそりとたたずむ上初湯川の集落。ふだんは、眠ったように静かなこの山里も、お盆の夜だけは、打って変わったにぎわいをみせる。源平時代の名残りを伝えるという「上初湯川踊り」(笙絃音頭)のレコ…
(「紀州 民話の旅」番外編) 前項「王丸谷の六地蔵」では、この地に伝わる六地蔵と五輪塔が紀州徳川家の家老・牧野兵庫頭(まきの ひょうごのかみ)ゆかりのものであることを紹介したが、紀州徳川家初代藩主徳川頼宜(よりのぶ)の時代に牧野兵庫頭が引き起…
清水町に近い村の北辺の李(すもも)。そこの草深い道ばたに、六地蔵と五輪塔がある。土地の人は、それを「王丸谷(おまんだに)の地蔵さん」という。
もう何百年も、日高川の流れを静かに見守ってきた美山の山里。そのひなびた山村が、いま大きく表情を変えようとしている。日高の流れをせき止める「椿山ダム」。だが、こうしたあわただしさをよそに、いまもなお、ひとり静けさを秘めているのが、初湯川の上…
日高川の清流が大きく蛇行し、澄みきった水が、しぶきを上げながら、巨岩を縫って勢いよく流れ落ちるあたり。「出姥山」は、そんな景勝の地の一角にある。
ゆったりと流れる日高川。その静かな水音が、水ぎわまで立ち並んだヒノキ林に吸い込まれて行く。
県内各地につくられた約700の城郭のうち、最もよく原型をとどめているのが、川辺町和佐にある手取城だといわれる。
顔に真っ赤な紅を塗った笑い主の「鈴振り」が、「ワッハッハ」「ワッハッハ」と豪快に笑ってねり歩く、珍しいお祭りが川辺町江川の丹生神社に伝わる。10月10日の「笑い祭り」がそれだ。
「南無阿弥陀仏」の念仏一辺倒で、全国の庶民層から、絶大な支持を得たと伝えられる徳本上人。生誕地は日高町だが、若いころの6年間、厳しい修行を積んだのが、川辺町千津川落合の草庵だったといい、千津川にはいまも、上人をしのぶ話がいくつか残っている。
「川辺」の名は知らなくても「道成寺」だけは知っている……。安珍清姫で語られる道成寺は、いまも昔も、日本の代表的な民話の舞台。だがその創建にまつわる話を知っているだろうか。