生石高原の麓から

和歌山の歴史・文化・伝承などを気ままに書き連ねています

キャンギャル・レースクイーン(1996.1)

 「モータースポーツ回顧録」のカテゴリーでは、過去の個人サイトに掲載していたモータースポーツ関連の記事を再掲していきます。

 今回の記事は1996年当時、絶大な人気を集めていたキャンギャルキャンペーンガールの話題です。

 古くから、自動車レース、オートバイレースなどのモータースポーツ競技では、表彰式で優勝者らに花束や賞金額を書いたボードを贈呈する役割を女性が担うケースが多く、これを「サーキットクイーン」、「レースクイーン」などと呼んでいました。しかし、この時点では女性の服装は水着ではなく、一般的なシャツにスカートという出で立ちが当たり前でした。

 日本がバブル景気に沸き立つ直前の1984年、鈴鹿サーキットで行われたオートバイの「鈴鹿8時間耐久レース(通称「8耐」)」は、この年からコカコーラがスポンサーに付き、この後に続く爆発的なオートバイブームの火付け役となったことでも知られています。そして、このレースにチームイクザワ(かつてのスタードライバー生沢徹氏が監督を務めるチーム)がプロモーションのために水着の女性を登場させたことが、日本における、いわゆる「キャンギャル」の始まりであると言われています。
8耐が『コカ・コーラ』鈴鹿8耐となったのは1984年から、きっかけは日本コカ・コーラ一社員の感動だった! | モーサイ

 その後、バブルの到来とともに二輪、四輪のモータースポーツには大小様々な企業がスポンサーとして資金を提供するようになり、潤沢な資金を獲得した各チームが競って大勢のキャンギャルを登場させるようになりました。これにつれて、キャンギャルのコスチュームも単なる水着ではなく、いわゆる「ハイレグ」と呼ばれる特異なものへと移り変わって行ったのです。

 以下で紹介する写真は1995年頃に撮影したものですが、当時はレース専門誌だけではなく、一般の雑誌やメディアでもキャンギャルが特集されたり、専門の写真集や情報誌が発行されており、この頃がブームの最盛期であったようです。

 その後は、あまりにブームが加熱しすぎたため、レースの規則でキャンギャルの人数に制限を設けたり、過度の露出を控えることが求められるなど、様々な制約が加えられたことによって徐々に落ち着きをみせて来ました。また、「キャンギャル」という呼び方そのものがバブル時代の狂乱的なブームを連想させるからか、最近ではこの名称を使わずに「レースクイーン」と呼ぶことの方が多くなりました。

ja.wikipedia.org

 

 こうした「キャンギャル・レースクイーン」は日本発祥のものと言われていますが、海外のモータースポーツでも「パドックガール」や「グリッドガール」という名称でサーキット内に女性が登場するケースは以前からありました。特にモータースポーツの最高峰であるF1では、スタートライン上でドライバーのゼッケンや名前が書かれたボードを持ってマシンを迎える「グリッドガール」の存在が欠かせないものとなっていました。

 しかしながらF1を運営するフォーミュラワン・グループは、2018年の開幕からこのグリッドガールを廃止することを決定しました。これは、「グリッドガールの存在は女性蔑視を助長する」との批判が高まったことから、同社が「この習慣がブランド価値に共鳴するものではなく、現代の社会規範とはまったく矛盾していると感じている」と判断したからであると報道されています。
 下記の記事にもあるように、グリッドガール廃止には当事者である女性モデルらからの反発の声もあり、またキャンペーンガールレースクイーンパドックガールらの廃止には直接結びつくものではありませんが、こうした姿の背景にはなかなかに複雑な事情が絡んでいるということを知っておくべきなのではありましょう。

www.as-web.jp

 

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ギャルズ・パラダイス

 

現代の日本のサーキットには、必ずキャンペーンギャル(いわゆる「キャンギャル」)の姿が見られます。全日本選手権シリーズともなれば、1シーズンの活動費が数億にものぼるレーシングチームを支えるのがスポンサーの存在であり、キャンギャルはこうしたスポンサーのプロモーション活動の中心的存在なのです。

 

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カーナビゲーションの新しいブランド、「XANAVI」

 

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日本のレースシーンには赤と黒のアドバンカラーは欠かせない。横浜ゴムのキャンギャル。

 

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サーキットでは「アコム」ブランドはビッグネームの一つです。

 

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1995年は目立った活動はありませんでしたが、サントリーもビッグスポンサーでした。

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 キャンギャル出身の有名人と言えば、飯島直子さんや岡本夏生さんが良く知られていますが、モータースポーツファンにとっては遠藤賀子さんも忘れられない人物です。1991年のル・マン24時間レースで日本車として初優勝を果たしたレナウン・チャージ・マツダのキャンギャルで、後にF1ドライバーミカ・サロ選手と結婚したことでモータースポーツファンをおおいに驚かせました。現在はミカ・サロの故郷であるフィンランドで暮らしているようですが、昨年秋には息子のマックス・サロが来日してF1への登竜門であるF4レースに挑戦している様子がテレビで紹介されていました。

遠藤賀子 - Wikipedia
父はFIのレジェンド!収入ゼロ!どん底でもがく2世レーサーYOUに密着:YOUは何しに日本へ?|テレ東プラス