生石高原の麓から

かつて開設していた個人サイト「生石高原の麓から」の内容をブログ形式に移行しています

南紀熊野体験博パンフレット(1997.6)

 「南紀熊野体験博の記録」のカテゴリーでは、過去の個人サイトに掲載していた記事のうち、「JAPAN EXPO 南紀熊野体験博(1999.4月~9月)」に関するものを再掲していきます。

 

 今回の記事は、開幕の2年前にあたる平成9年(1997)に発行されたパンフレットの紹介です。当時のインターネット回線は従量料金制が基本となっており、あまり高精細な画像を掲載すると通信料金が跳ね上がると嫌われていたことから、できる限り画像は軽量(=低解像度)なものにして、パンフレットの内容は文字起こししたものを掲載しているところに、時代背景を読み取っていただければと思います。

 なお、南紀熊野体験博については、このパンフレット紹介の後で詳しく解説するほか、今後のこのカテゴリーの記事にあわせておいおい紹介させて頂く予定としています。

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南紀熊野体験博の新しいパンフレットができました。

 

テーマは、こころにリゾート実感

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南紀熊野でよみがえらせたい、
こころとからだの失われた時間。

それは、自己再発見への旅。
20世紀が、すり減らせた人間の時間を、
すこしずつ、すこしずつ、埋めてゆく、
心の原風景への旅なのです。

いやす、みたす、よみがえる。みずみずしい南紀熊野そのものが会場。
21世紀へと手渡す、まったく新しい試みが、
平成11年春4月、南紀熊野体験博として花開きます。

■開催期間 平成11年4月下旬~9月下旬(約160日間を予定)

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[基本理念]

 21世紀に向かって、私たちは新しい生活様式を求めはじめている。それは、生産や消費の活動のみに偏って時間を消耗させるのではなく、自分自身を再発見し、積極的にこころとからだを充足させていくために多くの時間を費やす生活様式である。そのために必要な環境があってこその、リゾートに他ならない。

 リゾートとは、山間海浜に遊ぶレジャーをいうのではなく、疲れたこころとからだを癒し、自分自身を取り戻して、新たな活力を生み出すための活動であって、リゾートライフは、21世紀の人々の日常生活の重要な部分をしめる営みである。

 和歌山県は、日本を代表するリゾートエリアである。ここには、人々が自らを蘇らせるためのすぐれたリゾート環境がある。特に、南紀熊野に代表される地域は、古から、人々がこころとからだの癒しを求めてきた場所であり、21世紀を間近に控えた今、その価値はますます高くなろうとしている。この地域の自然と歴史は、まさに私たちの求める21世紀のリゾート環境である。

 「ジャパンエキスポ 南紀熊野体験博 リゾートピアわかやま’99」は、南紀熊野を中心としたすぐれたリゾート環境を、時代の要請に応じた形で、改めて提示し、そこでの具体的なリゾート体験を、一人ひとりに提供しようとするものである。博覧会を通じて、この地域が、私たちの新しい生活様式に重要な貢献を果たすことを示し、この地域の将来を見通す。

 「ジャパンエキスポ 南紀熊野体験博 リゾートピアわかやま’99」は、ほんものの「わかやまリゾート」によって、“こころのリゾート実感”を追求する

■概要
○名称/ジャパンエキスポ 南紀熊野体験博 リゾートピアわかやま’99
○メインテーマ/こころにリゾート実感
○サブテーマ/いやす みたす よみがえる
○開催期間/平成11年4月下旬から9月下旬に至る約160日間
○開催場所/

 直接対象地域=南紀熊野地域(和歌山県下16市町村)
  田辺市新宮市白浜町中辺路町大塔村上富田町
  日置川町、すさみ町、串本町
那智勝浦町太地町
  古座町古座川町熊野川町、本宮町、北山村

 関連広域地域=和歌山県紀中地域・紀北地域 奈良県関連地域 三重県関連地域

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南紀熊野の全てが会場。
まったく自由でオープンな、参加型体験博。

南紀熊野地域へいざなう2つのシンボルパークと、1つのシンボル空間を設定します。

 田辺市の「田辺新庄シンボルパーク」と那智勝浦海岸の「那智勝浦シンボルパーク」。そこでは、南紀熊野体験博のエリアの魅力案内やさまざまなイベント情報を提供します。また、博覧会の展開を総合的にアピールする発信窓口としての機能を持たせたいと考えています。

 「熊野古道シンボル空間」は、“こころにリゾート実感”という基本テーマを体現する空間として設定。南紀熊野を訪れる人々が、リゾートの本義である「癒し」を体験できる場とします。


南紀熊野地域全体を広域の会場として、各地の特性やリゾート資源を活用。
博覧会の骨格となるイベントを6か月間、季節の変化に応じて展開します。

■テーマイベントの展開
古の蟻の熊野詣を現代に再現する「10万人の熊野詣」をはじめ、南紀熊野の豊かな自然を舞台に、大規模イベントを繰りひろげます。

■地域ネットワークイベントの展開
南紀熊野地域と関連広域地域の既存のイベントに、新規のイベントを加えてネットワーク化し、開催期間を通じてさまざまなイベントを多彩に展開します。

■リゾート体験イベントの展開
南紀熊野地域に「リゾート体験エリア」を設定し、短期滞在型のリゾート体験を実現します。地域の特性を生かした独自のリゾート体験プログラムを提供し、県内外から多くの人々の参加を募ります。

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南紀熊野体験博は、魅力ある和歌山を
21世紀につなげる架け橋です。

多くの人に、南紀熊野体験博を存分に楽しんでいただくために。
見つめ直そう、南紀熊野の魅力

およそ二千年の歴史文化と、海山ともに日本有数の自然が息づく南紀熊野地域は、イベントの素材や資源にはこと欠きません。この博覧会では、イベントのオリジナリティを重視し、できるだけ地域の特徴を生かしたものを企画します。魅力いっぱいの南紀熊野を21世紀へ引き継ぐためにも、いま一度、南紀熊野の魅力を見つめ直し、私たちの力で博覧会を盛り上げていきましょう。

 

また訪れたくなる「わかやまリゾート」を育てるために。
地域の人々と来訪者の心をつなぐ、ソフトプロジェクト

南紀熊野体験博では、多くの方々を迎え入れることになります。来訪者を受け入れ、将来も「わかやまリゾート」のファンとなっていただけるよう、さまざまな仕組みやシステムを確立するためのソフトプロジェクトを提案します。このプロジェクトは、博覧会終了後も、地域主導で引き続き定着させていくことが大切で、それが地域の総合的なリゾート資源の質を高めていくことにもつながります。なかでも、地元のあたたかい受け入れ体制(ホスピタリティ)の強化は、最優先課題です。私たち一人ひとりが、もてなしの心を発揮して、来訪者に気持ちよく接することこそ、「いやす みたす よみがえる」を合言葉にしたこの博覧会の本質なのです。

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心をいやす山がある。
心をみたす海がある。
心よみがえる時間がある。

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発行/南紀熊野体験博実行委員会
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※上記の記事は1997年6月に個人のWebサイトに掲載したものを再掲しました。

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 南紀熊野体験博(正式名称は「JAPAN EXPO 南紀熊野体験博 リゾートピア和歌山'99」)は、平成11年(1999)4月29日から9月19日までの144日間にわたって和歌山県南部の南紀・熊野地域で開催された地方博覧会。国の「特定博覧会制度(ジャパンエキスポ制度)」の認定を受けた博覧会としては第9回目の開催となりました。和歌山県では平成6年(1994)に開催された「世界リゾート博」が第4回ジャパンエキスポの認定を受けており、全12回にわたるジャパンエキスポの中で、同一県で2回開催されたのは和歌山県のみです。

 

 南紀熊野体験博のアイデアは、平成7年(1995)に和歌山県知事となった西口勇氏(1926 - 2000)が選挙公約として掲げた「136のプロジェクト」に含まれていた「しらら博」と「熊野博」という2つのイベント計画をベースとしています。この計画は、西口氏が知事に就任した後に「南紀活性化イベント(仮称)」として具体的な検討が進められました。
 平成8年(1996)6月の和歌山県議会会議録によると、西口知事はこのイベントに関する県議会議員からの質問に対して次のように答弁しています。

知事(西口 勇君)
 谷議員にお答えをいたします。
 南紀活性化イベントの基本的な考え方についてでございます。

 議員のお話にもございましたように、私は昨年の知事選挙において、紀南地方の活性化のために「しらら博」あるいは「熊野博」といった大規模イベントの開催を提唱してまいりました。これの基本的な考え方といたしましては、本県の持つ豊かな自然や歴史、文化といった資源を私たち自身がもう一度見詰め直し、新しい魅力をつくり出すとともに、全国に向けてその情報を発信することによって、さらに地域の内在的なエネルギーを高め、新たな地域産業の創出につなげていきたいという考え方に基づくものでございます。
 イベントの内容といたしましては、平成十一年度に適当な期間を設定いたしまして、それぞれの地域で地元の資源を生かした特色あるイベントを開催することにより、例えば、那智の火祭りとかお燈まつりとか、既存のイベントもたくさんあるわけであります。それらを生かして、さらに紀南地域全体を舞台としたイベント展開を行っていきたいと考えております。

平成8年6月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(全文) | 和歌山県議会

 

 その後、和歌山県の広報紙「県民の友」平成9年(1997)2月号に次のような記事が掲載されており、この時点でイベント全体の大きな枠組みと、「南紀熊野体験博」という名称(当時はまだ「仮称」という扱いであった)が概ね決定したものと思われます。

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http://www.big-u.jp/prefg/000200/kenmin/h6_10/pdf/h090201.pdf

 

 上記で紹介したパンフレットは、平成9年(1997)6月発行のものですので、上の「県民の友」から約5か月後に発行されたことになります。やや内容は具体的になったものの、まだ詳細は定まっていないというところでしょうか。

 

 このカテゴリーでは、こうした準備状況を少しずつ紹介していきたいと思います。