生石高原の麓から

かつて開設していた個人サイト「生石高原の麓から」の内容をブログ形式に移行しています

リゾート体験イベント プログラム一覧(1999.7)

 「南紀熊野体験博の記録」のカテゴリーでは、過去の個人サイトに掲載していた記事のうち、「JAPAN EXPO 南紀熊野体験博(1999.4月~9月)」に関するものを再掲していきます。

 

 今回の記事では、南紀熊野体験博の「中核」と位置づけられている体験プログラムのうち、特に「リゾート体験」として企画されたものを一覧で紹介しています。

 南紀熊野体験博は、単に「熊野」の歴史・文化をアピールするイベントだけにとどまらず、名称に「リゾートピアわかやま'99」というサブタイトルが付いていることからも判るように、和歌山県南部地域に点在する様々な観光資源を「体験型リゾート」として盛り上げていこうという目的も併せ有していました。

 このため、それまでは「知る人ぞ知る」という位置づけに過ぎなかった県内各地の「楽しみのための活動(アクティビティ)」を「リゾート体験イベント」という形で統一的にPRし、予約、送客などを一元的に管理したことに加え、これまでは曖昧なことも多かった主催者責任や価格、代金収受等の仕組みなどを明確にしたことで、いわゆる「一見(いちげん)さん」にも利用しやすくした、というのがこの「リゾート体験イベント」の特徴です。
 近年では、価値のある物品を購入することで満足を得る「モノ消費」に対して、「コト(事 やること・すること・体験)」にお金を使って満足を得る「コト消費」という概念が喧伝されるようになってきましたが、「リゾート体験」そのものを地域全体で事業化することを目指していた南紀熊野体験博は、この「コト消費」の先駆けとなる取り組みであったと言えるでしょう。
コト消費 - Wikipedia

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南紀熊野体験博 リゾート体験イベント

 

 さあ、いよいよ待望の夏休み。みなさん、夏休みの家族旅行の計画は決まりましたか? 
 南紀熊野体験博では、まだ夏休みのイベントが決定していない皆さんのために、さまざまな体験イベントのプログラムを用意しています。下記のコースの中からご家族に最適の体験イベントを探してみてください。

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※下記のリストは1999年7月に公開されたものです。現在は募集されていません。

夏休みスペシャ
マリンスポーツ
水上バイク&遊覧クルーズ 田辺市 日帰り 初心者対象の水上バイク体験と遊覧クルーズ(13:45~17:00) 5,000円~
シーカヤック体験 すさみ町 日帰り 基本から学ぶシーカヤック体験(13:30~16:30) 3,000円
体験ダイビング すさみ町 日帰り 体験ダイビング(13:30~17:00) 14,000円
串本体験ダイビング 串本町 日帰り 串本体験ダイビング(13:00~16:30) 14,000円
体験ヨット教室 串本町 日帰り ヨット教室(9:00~12:00) 3,500円
体験ボードセーリング 串本町 日帰り ボードセーリング(9:00~12:00) 3,500円
ディンギー・クルーザーヨット体験 新宮市 1泊2日 ディンギーヨットの基礎知識と操作技術の習得(14:30~翌13:00) 11,500円
ヨット体験 田辺市 日帰り 初心者対象のヨット教室(8:30~15:30) 5,700円
清流で遊ぶ
カヌースクール(半日) 熊野川 日帰り 初心者向けカヌー教室(8:50~12:10) 6,000円
カヌースクール(1日) 熊野川 日帰り 初心者向けカヌー教室(8:50~16:10) 10,000円
カヌー体験 日置川町 日帰り カヌー体験(9:00~11:00) 2,500円
カヌー体験 田辺市 日帰り 初心者対象のカヌー教室(9:00~12:00) 4,700円
熊野ウォーク
熊野原生林ウォーク 熊野川 日帰り 原生林(モミ・ツガ・ブナ林)ウォーク(13:30~17:00) 4,300円
熊野修行道場をめぐる「熊野山伏」体験ウォーク 新宮市 日帰り 高田から那智山に至る山伏の道をウォーク(8:00~17:30) 5,400円
熊野古道大雲取越え 那智勝浦町 日帰り 熊野古道大雲取越えウォーク(大門坂~小口)(7:00~16:30) 3,500円
幻の滝探訪 北山村 日帰り 幻の滝(立合川大滝)探訪(13:30~16:30) 4,500円
伝統文化を体験しよう
紀州備長炭細工体験 田辺市 日帰り 紀州備長炭を使った枕または風鈴づくり(10:45~15:30) 8,600円
熊野の土でつくる陶芸体験(湯のみづくり) 中辺路町 日帰り 熊野の土を使った陶芸体験(湯のみづくり)(13:30~15:00) 2,500円
ひょうたん細工ともちつき体験 上富田町 日帰り ひょうたん細工、もちつき体験(13:00~17:00) 3,000円
鮎の里の藍染め体験 日置川町 日帰り 藍染め体験(13:20~16:00) 2,000円
紀州備長炭見学と鮎料理体験 日置川町 日帰り 炭焼き見学と製造販売、鮎料理(11:00~13:00) 4,500円
釣りを楽しもう
鮎釣り体験 ふれあい交流の旅 中辺路町 日帰り 初心者を対象とした鮎釣り教室(13:30~17:30) 4,500円
日置川鮎つかみどりと鮎料理昼食会 日置川町 日帰り 鮎つかみどりと鮎料理昼食会(11:30~14:00) 5,000円
イカ釣り体験 すさみ町 日帰り イカ釣り体験(8:00~11:30) 11,200円
大自然を満喫
貝の採集教室 串本町 日帰り 貝の採集教室(14:00~16:30) 2,300円
串本海の学校 串本町 日帰り 海の生き物観察会(9:30~15:00) 4,200円
黒潮の海 漁師体験 串本町 日帰り 棒受け網漁体験(19:00~21:30) 大人5,700円、小人4,700円
ホエールウォッチング 那智勝浦町 日帰り ホエールウォッチング(6:00~10:00) 大人6,500円、小人5,000円
海の生き物観察 すさみ町 日帰り 海の生き物観察会(13:30~16:30) 1,150円
海・川・自然体験教室 新宮市 1泊2日 磯の生物観察、高田川のボウズハゼ岩登の観察(14:00~翌11:30) 8,000円
田辺湾遊覧 田辺市 日帰り 紀州田辺沖を遊覧クルーズ(15:30~16:30) 2,400円
あまイカ釣り体験 白浜町 日帰り 夜のあまイカ釣り体験(19:30~21:30) 5,200円
料理体験
梅干し体験・梅料理 田辺市 日帰り 梅天日干し、梅ショッピング、梅料理(10:45~14:10) 4,000円
料理工房 日置川町 日帰り ソーセージ調理体験(13:00~17:00) 3,000円
心のいやし体験
熊野武禅体験~こころの癒し~ 中辺路町 日帰り 自分自身が再発見できる武禅体験(13:30~17:00) 5,700円
座禅体験 上富田町 日帰り 日本一の白いだるま座像がある寺での座禅体験(7:00~8:30) 700円
自然まるごと派体験
熊野自然体験ランド
日置川鮎つかみどりと鮎料理昼食会 日置川町 日帰り  清流日置川での鮎つかみ大会 料理内容……備長炭鮎塩焼き、鮎そうめん、鮎飯 5,000円
親子「市江崎の自然」体験 日置川町 1泊2日 磯遊び、海水浴、釣り、魚のつかみどり、バーベキュー、ハイキング、自然体験 12,000円~
森と柚子の里「平井スクール」 古座川町 2泊3日 過疎化のため休校になった学校の校舎内でのキャンプ体験、清流平井川や平井地区の散策等田舎生活を体験 20,000円
清流ふれあい「滝の拝スクール」 古座川町 2泊3日 休校になった学校グラウンドでのキャンプ体験。「滝の拝」を舞台に、星空観察、川遊びなど自然体験 33,000円
天神崎シースクール・カヌー体験 田辺市 1泊2日 ナショナルトラストの地、天神崎を眺めながら新鮮な海の幸を味わうバーベキュー&カヌー教室 18,900円
百間山渓谷ハイキングと田舎料理体験 大塔村 1泊2日 講師による山や植物の話と共に、百間山の滝巡りをし、田舎料理を作る。 4,700円~
ディンギー・クルーザーヨット&海・川・自然体験教室 新宮市 2泊3日 ~海ではあっ! うつぼが……  川では岩登りの名人が……~ 19,500円
イノブータン王国 山の教室 すさみ町 1泊2日 自然散策、森林浴昆虫採集、星の観察会、川遊び、自然を生かした野外体験 15,000円~
色川自然体験学校林業 那智勝浦町 1泊2日 林業体験、風呂焚き体験、ログハウスづくり体験 9,000円~
天神崎シースクール・ヨット体験 田辺市 1泊2日 天神崎を眺めながら新鮮な海の幸を味わうバーベキュー&ヨット教室 22,000円
伝馬船での瀞峡めぐりとハイキング 熊野川 1泊2日 伝馬船での瀞峡めぐりと瀞峡ハイキング、川遊び 12,500円~
芋掘りと百間山渓谷ハイキング 大塔村 1泊2日 緑豊かな山里で芋掘りをして、バンガローに宿泊。百間山渓谷をハイキング(講師同行)。 5,500円
串本黒潮体験学校(トビウオすくいとり) 串本町 1泊2日 串本の海を知り尽くした漁師が案内するトビウオをタモですくいとる体験 12,600円
熊野文化講座
ひょうたん細工と座禅体験 上富田町 1泊2日 人類最初の栽培植物ひょうたんの細工と餅つき体験。日本一のだるま寺へ。 25,500円~
デラックスリゾートホテルに泊まる南紀の押し花体験 上富田町 1泊2日 英国様式の高級リゾートホテルに泊まり、自然の色をそのまま残す押し花体験。 19,400円
陶芸教室と備長炭窯見学 大塔村 1泊2日 松田氏の指導により陶芸作品づくりを思いっきり体験する。紀州備長炭の窯出し見学。 10,000円~
街道をゆく 司馬遼太郎と鮎火振り漁編 古座川町 1泊2日 ぼたん荘から高池の若衆宿まで、途中名所を見ながら散策。屋形船に乗り夕食をしながら鮎の火振りを見学。 34,000円~
熊野ウォーク
熊野古道ウォーク&ステイ 本宮町 1泊2日 本宮温泉郷に宿泊し、地元の語り部さんの案内で熊野古道を歩く。 9,000円~
南紀スポーツアクティビティ
鮎釣り体験 ふれあい交流の旅 中辺路町 1泊2日 初心者を対象にした名人会の指導による鮎釣り教室。当日釣れなかった人にも鮎を用意。 18,300円~
ディンギーヨット教室とシーフードバーベキュー 古座町 1泊2日 インストラクターの指導のもと初心者向けヨット教室、ヨットセーリング体験を行う。 16,500円
南紀採る採る収穫体験
田辺湾かに採り体験 田辺市 1泊2日 ワタリガニの収穫漁見学。新鮮なカニをそのまま夕食に。地元ではおいしい珍味として評判。 14,800円
豊年満作お祝いツアー 本宮町 1泊2日 いも掘りや焼き芋体験と温泉三昧。 13,400円
黒潮の海・漁師体験 串本町 1泊2日 漁り火を焚 き、魚を寄せて採る夜の漁「棒受け漁網」の体験。 29,000円~
あまイカ漁体験 白浜町 1泊2日 漁船に乗船し、あまイカ漁の体験や見学をし、新鮮な海の幸を炭火にてバーベキューをします。 17,500円
白浜椿のお魚さんとふれあいツアー 白浜町 1泊2日 椿ふれあいフェスティバルに参加し、タイやヒラメのつかみどり。 8,200円~
黒潮・漁師体験 太地町 1泊2日 刺し網漁体験、定置網漁見学 21,000円
ダイナミック派体験
南紀スポーツアクティビティ
北山村ラフティング満喫 北山村 1泊2日 水しぶきを上げラフティング体験(オノトリ~小松)を楽しもう。 20,000円~
ラストサマー カヌーウィーク 熊野川 1泊2日 和歌山の清流熊野川でカヌー体験。半日のカヌー体験だけもあります。 17,800円~
古座川カヌー教室&ツーリング 古座町 1泊2日 全長10Kmの川下りカヌーツーリング。思う存分川下りを楽しめる。 23,000円
初めての人のための串本体験ダイビング&ヨット教室 串本町 1泊2日 インストラクターの指導のもと、初心者向けダイビングや舵取り、セール上げ等ヨット体験を行う。 25,500円
初めての人のための串本体験 ダイビング&ボードセーリング教室 串本町 1泊2日 インストラクターの指導のもと、初心者向けダイビングやボードセーリングの基本動作を体験。 25,500円
初心者のためのスキューバダイビング 古座町 1泊2日 串本の砂浜で初心者を対象とした体験スキューバダイビング 18,000円~
カジキ釣り体験&味覚体験 すさみ町 1泊2日 クルーザーに乗船し、大物カジキを狙うトローリング体験と枯木灘の海の幸の味覚の夕食。 26,500円
スクーバダイビング体験 白浜町 日帰り 初心者の方でも安心。経験豊かなインストラクターが親切に指導。 14,800円
熊野古道 森薫杯あゆ釣り大会 中辺路町 1泊2日 経験者を対象とした鮎釣り大会。全国的に有名な森プロ主催で、夜の釣り指導教室も開催。 14,700円~
クマノテラピー
行者滝うちと北山川筏下り 北山村 1泊2日 飛び地の村、北山村で体験する護摩焚きと滝うち。迫力いっぱいの筏下り。 18,000円
南紀採る採る収穫体験
枯木灘イカ釣り体験と味覚体験 すさみ町 1泊2日 イカを中心にした海の幸を使った味覚を味わう。漁船にてイカ釣り体験し、お土産に。 21,400円
熊野自然体験ランド
アドベンチャー北山村 北山村 1泊2日 合川大滝訪問・ラフティング 24,000円
紙漉き体験と熊野料理 中辺路町 1泊2日 紙を原材料から加工していく本格的な紙漉き体験。地元料理体験教室。人と森と紙のつながりを語り合う。 25,000円~
料理工房とカヌー体験 日置川町 1泊2日 ミニ工房でのソーセージ調理。清流日置川でのカヌー体験講習。 14,300円~
串本黒潮体験学校(ホエール&イルカ) 串本町 1泊2日 船上よりホエール&イルカウォッチングを行います。 17,500円~
熊野文化講座
あなたは熊野で蘇る「日本一の“熊野比丘尼”体験ツアー 新宮市 1泊2日 講話「日本一の熊野比丘尼」、実演「熊野比丘尼の絵解き」。那智参詣曼陀羅を歩く。 21,000円
熊野修行道場をめぐる「熊野山伏」体験ツアー 新宮市 2泊3日 講話「日本一の熊野山伏」、解説が付いた山伏の道ウォーク。 33,000円
熊野ウォーク
ベスト熊野古道ハイキング 熊野川 1泊2日 熊野本宮大社から熊野那智大社に至る小雲取越、大雲取越。 24,800円~
那智山修験滝めぐり 那智の滝源流を探る 那智勝浦町 2泊3日 那智山修験滝めぐり。那智山青岸渡寺高木副住職の案内で那智の滝の源流を探る。 20,000円~
熊野古道大雲取越 那智勝浦町 1泊2日 熊野古道ウォーク&熊野古道に関する歴史講座。 22,000円~

※上記の記事は1999年7月に個人のWebサイトに掲載したものを再掲しました。

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 以前、「南紀熊野体験博パンフレット(1998.10)」の項でも紹介しましたが、南紀熊野体験博において初めて統一的な広報・参加募集などが行われた各種の体験プログラムは、後に「ほんまもん体験」という名前が付けられて県内全体を対象とする体験型観光メニューとして定着することになりました。
南紀熊野体験博パンフレット(1998.10)

 やがて、この取り組みは農家(漁家)への宿泊(民泊)を中心とした滞在型観光「グリーン・ツーリズムブルー・ツーリズム)」へと発展し、さらに修学旅行などの「教育旅行」へも結びついていきました。こうした動きについて、植田淳子氏、芝めぐみ氏は「和歌山県農業展開史和歌山大学「食農総合研究所研究成果」 第14号(2020年3月))に掲載された「第17章 農家民泊・体験教育旅行の展開と課題」において次のようにまとめています。

2. 和歌山県における「ほんまもん体験」を活用した体験教育旅行誘致の取組み
南紀熊野体験博を契機とした体験交流型観光のはじまり
 和歌山県における体験交流型観光のはじまりは、1999年4月29日から9月19日まで開催された「ジャパンエキスポ 南紀熊野体験博 リゾートピアわかやまʼ99(以下、「体験博」とする)」まで遡る。旧通商産業省の特定地方博覧会制度によるものであり、県南部の田辺市新宮市、西牟婁郡および東牟婁郡が対象地域であった。基本テーマは「いやす、みたす、よみがえる こころにリゾート実感」で、新しいリゾートフロンティアとして、国内外への情報発信、豊かな自然・歴史・文化等を活かした地域資源の再発見および新たな魅力の創出が開催目的とされた。また、ジャパンエキスポ史上初めて、対象地域全体をパビリオンと見立てたオープンエリア方式を採用し、地域特性を活かした100種類以上の「リゾート体験イベント」が提供された。このイベントの特徴は、地元住民との交流の中で、参加者が和歌山の魅力を体感できるという点にあり、体験交流型観光の先駆けとして大変人気を博し、期間中の来場者数は延べ310万人を記録した。
 なお、体験博のテーマである「癒し」という言葉は国民的なテーマであるとして、この年のユーキャン新語・流行語大賞トップテンに選出され、当時の西口勇和歌山県知事が受賞している。

⑵ほんまもん体験と体験教育旅行の誘致活動
 体験博終了後の2002年からは、「ほんまもん体験」として県内全域で体験交流型観光のプログラム構築に取り組んでいる。梅のもぎ取りやこんにゃく作りなど、県内各地域の農林漁業や生活文化と密着した体験、ダイビングや熊野古道散策など和歌山の自然や文化に触れることができる体験などを中心に、2019年10月24日現在、351の体験が提供されている。
 これらの体験や交流が持つ多様な教育効果(共通体験に伴う連帯感の醸成、人生の先輩とのコミュニケーション、本物の生産現場で得られる達成感等)が注目を集め、2005年からは「ほんまもん体験」を活用した教育旅行の受け皿づくりと誘致活動を開始した。
(以下略)
研究成果 | 和歌山大学

www.wakayama-kanko.or.jp


 前回の記事でも少し触れていますが、和歌山県が展開する体験型観光メニューを「ほんまもん体験」と称するようになった背景には、南紀熊野体験博の2年後となる平成13年(2001)に放映されたNHK朝の連続テレビ小説「ほんまもん」の影響がありました。
 「ほんまもん」は、熊野(ロケ地は現在の田辺市本宮町伏拝)の山中に生まれた主人公が天性の味覚を活かして「和食の究極」といわれる精進料理の料理人を目指す物語で、ヒロインの山中木葉を当時20歳の池脇千鶴が演じ、母を風吹ジュン、元和食料理人の父を根津甚八がそれぞれ演じた作品です。

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「ほんまもん」ロケ開始を報じた「県民の友」平成13年7月号

 和歌山県が舞台となったNHK朝ドラは「風見鶏(1977)」、「純ちゃんの応援歌( 1988)」以来(「ほんまもん」以後は無し)ということで、このとき和歌山県では全国的な知名度を向上させるための好機として、「ほんまもん!和歌山」をキャッチフレーズとした観光キャンペーンを展開したのです。
 この際のキャンペーンの内容は必ずしも体験型観光に限定したものではなく、自然、温泉、歴史、文化、食など多岐にわたるものだったのですが、その一環として作成した「ほんまもん体験」と銘打った体験メニューのパンフレットが好評を得たため、結果的にこれ以後和歌山県が展開する体験型観光を総括して「ほんまもん体験」と呼ぶことが自然に定着していきました。必ずしも当初から戦略的に「ほんまもん体験」という言葉を用いたわけではないということについては、体験型観光を大々的に取り上げた和歌山県の広報紙「県民の友」の平成14年(2002)1月号の表紙では「感動体験! 和歌山の遊び方」との見出しがあるのみで、後の特集ページを含めても一切「ほんまもん体験」という言葉が用いられていないことでも判っていただけると思います。

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