生石高原の麓から

和歌山の歴史・文化・伝承などを気ままに書き連ねています

南紀熊野体験博リーフレット(1998.1)

 「南紀熊野体験博の記録」のカテゴリーでは、過去の個人サイトに掲載していた記事のうち、「JAPAN EXPO 南紀熊野体験博(1999.4月~9月)」に関するものを再掲していきます。

 

 今回の記事では、平成10年(1998)1月に制作されたリーフレットの内容を紹介しています。

 前項で紹介したとおり、この前年(1997)の10月に実施計画が策定され、ようやく南紀熊野体験博の具体的なイメージが湧いてきたところですが、この時点で既に開幕まで約1年半となっていましたので、県民に対する博覧会の知名度向上が急務となっていました。

 今回紹介するリーフレットは、こうした状況のもとで、南紀熊野体験博のことを少しでも多くの人々に知っていただくために作成されたものです。当時はまだインターネットが十分には普及しておらず(※)、ネットを利用した情報発信が一般的ではなかったため、広く県民に情報を提供するためにはこうした紙媒体が最も効果的であったのです。

 

※上記の記事は1998年1月に個人のWebサイトに掲載したものを再掲しました。

総務省の「通信利用動向調査」によると、平成9年度(1997)におけるインターネットの世帯利用率は6.4%、平成10年度(1998)で11.0%となっており、利用率は急伸しているもののまだまだ一般に普及しているとは言い難い状況であった。統計調査データ:通信利用動向調査:報告書及び統計表一覧(世帯編)

 

-----------------------------------------------------------

 

1998年1月、南紀熊野体験博の新しいリーフレット(チラシ)が出来上がりましたのでご覧ください。

f:id:oishikogen_fumoto:20211126102720j:plain

おいでよ
ココロがよろこぶ
体験博。


ココロをみたす

ココロをいやす

ココロがよみがえる

 

開催地域
直接対象地域
 和歌山県南紀熊野地域
   田辺市/[西牟婁郡白浜町中辺路町大塔村
   上富田町/日置川町/すさみ町/串本町

   新宮市/[東牟婁郡那智勝浦町太地町古座町
   古座川町熊野川町/本宮町/北山村

関連広域地域
 和歌山県・紀中地域
 和歌山県・紀北地域
 奈良県関連地域
 三重県関連地域

 

f:id:oishikogen_fumoto:20211126103027j:plain

ワクワクのイベント満載。

海や山や風、
吸い込まれそうなほどの
大自然を舞台に、
ワクワク感いっぱいの
南紀熊野体験博が始まります。

 

古代熊野にタイムトリップ(10万人の熊野詣)
その昔、「蟻の熊野詣」といわれるほど賑わった熊野古道
その魅力を再発見できるメニューがいっぱい。
きっとあなたのみちが見つかるはず。

 

マリンスポーツの祭典がWAKAYAMAの海をホットにする
ボディボード、スキューバダイビング、トローリングなど
プロの競技会からみんなで参加できるイベントまで
楽しみ方は遊び心の数だけ広がっていきます。

 

夢がかなうよ!体験博
ホッとする風景や時間の中、
現代人の夢をかなえてくれる体験型イベントがいっぱい。
たとえば、陶芸家に、山歩き名人に、釣り人になってみたり・・・。

 

世界の子供たちと体験する南紀熊野の夏休み
未来を創る子供たちに文化とスポーツを通して
自然を思いっきり体験できるとびっきりの夏休みをプレゼント。
ここで芽ばえた友情は、素晴らしい宝物となるはず。

 

お祭りが南紀熊野をツーリング
144日間のお祭りめぐり
いつものまちのお祭りに、
新しいイベントが加わってパワーアップ。
あっちのまちも、こっちの村も、
大賑わいの144日間。

 

南紀熊野地域の全てが会場というビッグな体験博
体験博の魅力を余すことなくお伝えするシンボルパークが田辺新庄と那智勝浦に!
ゆったりくつろいだり夢いっぱいのステージを楽しんだり。
ここは、皆さんのあらゆる“?”にお答えするナビゲーターでもあるんです。

 

-----------------------------------------------------------

 上記のようなリーフレットの制作と同時に、和歌山県の広報紙「県民の友」でも継続的な広報活動が進められていました。平成10年(1998)1月号からは、「南紀熊野体験博ニュース」の一環として博覧会で実施されるイベントの紹介が始まりました。

 その第一回は、同博の中核的なイベントである「10万人の熊野詣」についてです。

南紀熊野体験博イベント紹介シリーズ・第1回

「10万人の熊野詣」 

 南紀熊野体験博では、そのむかし、最盛期には「(あり)の熊野詣」と呼ばれるほど賑わった熊野古道を、博覧会を機に一人でも多くの人に歩いていただこうという「10万人の熊野詣」を行います。
 ここでは、多彩な分野の専門家をゲストにお招きして、その話を楽 しみながら熊野古道を歩こうといったイベントなどを展開します。
 たとえば、季節の草花を観察しながら、昆虫採集をしながら、熊野 古道の伝説を聞きながらなど・・・・
 他にも、いにしえの衣装を身にまとい、往事に思いを馳せながら歩 く時代行列古道ウォークなど、楽しさあふれるウォークプログラムが いっぱいです。
 参加する誰もが自分自身に合った楽しみ方を発見できる「10万人 の熊野詣」でいにしえの「蟻の熊野詣」がどのように蘇るのか? どう ぞご期待ください。

広報紙 | 和歌山県

 

 ここで紹介された「10万人の熊野詣」と銘打ったイベントについて、博覧会博終了後に発行された「南紀熊野体験博 公式記録(平成12年(2000)3月1日発行)」では最終的な総参加者数を36,407人としています。

10万人の熊野詣
   「熊野御幸記」古道ウォーク(18回)  16,011人 
   植樹イベント(6回)  1,928人 
   清姫淵イベント(2回)  2,500人 
   大斎原イベント(5回)  7,900人 
   熊野古道サンティアゴへの道写真展    3,468人 
   その他(7回)  4,600人 
   合計  36,407人 

 

 こうした数字だけを見れば、「10万人の熊野詣」は当初想定されていたような成果を上げることができなかったようにも見えますが、もともとこの「10万人の熊野詣」というのは特定のイベントの名称を指していたものではなく、会期中に10万人の人々に熊野古道を歩いてもらうことを意図した企画の総合的な名称でした。

 同じく「公式記録」では、熊野古道のうち「おすすめ13コース」を歩いた人の数も記録していますが、この数字は159,000人となっていますので、「10万人の熊野詣」は初期の目標を十分に達成したものと考えることができるでしょう。

 そして、この「10万人の熊野詣」を通じて地域に蓄積されたノウハウが、後に外国人観光客をおおいに魅了する、国際的に評価する観光地となる礎となったことは間違いないと思われます。

なぜ熊野古道は欧米豪の旅行者に評価されるのか? ~宿の小規模性と経営者に着目して~ [コラムvol.398] | (公財)日本交通公社