平安の頃、真砂(まなご)の里に美しい娘がいた。名は「清」という。山路に咲く百合のように、その姿は清らかで、村の男たちのあこがれの的だった。縁談は降るようにあったが、清には、心ひそかに想いを寄せる若者がいた。毎年、熊野詣での途中、清の館に立ち寄り、一夜の宿をとる奥州白河の「安珍」という僧だった。
続きを読む藤九郎神社 ~白浜町瀬戸~
瀬戸浦にある小さな神社は、海の神さま。かつて田辺の沖を通る船は、海に供物を投げた。瀬戸浦の船主は、祭礼になるとノボリを立て、にぎやかに参拝したという。
続きを読む怪力獺田 ~田辺市稲成町~
昔、稲成の里に、獺田(おそだ)というカの強い若者がいて、阿波の力自慢の相撲取りからカくらべを申し込まれた。そこで獺田は、そばの太い孟宗竹を二本引き抜き、二本の指で押しつぶして褌(ふんどし)をつくり、一本を相手に渡した。
続きを読むショウジョウの釣場 ~田辺市元町~
昔、田辺の浦に、笛がたいそう巧みな若者がいた。ある日、立戸の浜で笛を吹いていると、美しい娘が現われ、流麗な音色に聞きほれた。
続きを読む蟻通しの神さま ~田辺市湊~
田辺の商店街にある「蟻通神社」には、とても頭のよい神さまがまつられているという。
続きを読む軍道の腰神さん ~印南町崎の原~
ギックリ腰に悩む人や、お年寄りに人気があるという、風変わりな神さまがいる。崎の原の「腰神さん」だ。
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