生石高原の麓から

和歌山の歴史・文化・伝承などを気ままに書き連ねています

円座石 ~熊野川町(現新宮市熊野川町)西~

 「大雲取越え」をすると、中根のあたりで道のわきに、大きな石が目にとまる。「円座石(わろうざいし)といい、別名「御茶具」「御沓形」とも。

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大雲取小雲取 ~熊野川町(現新宮市熊野川町)上長井~

 「伊勢へ七度、熊野へ三度」。かつて「蟻の熊野詣で」と形容された熊野三山詣では、まさに「神のこもれる国」への、素朴な信仰心がもたらしたものに他ならない。

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かいもんさんと変り者 ~熊野川町(現:新宮市熊野川町)日足~

 神丸の山手に、小さな祠がある。土地の人たちは、これを「かいもんさん」と呼ぶ。17世紀初頭、赤木からこのあたりまで、4キロにわたって赤木川の水を引き入れ、多くの新田をつくった太地嘉右衛門をまつるといい、毎年2月10日の例祭では、溝掃除をするのがならわしだ。

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いくさ地蔵 ~古座川町添野川~

 添野川の村はずれ、小川のほとりに、お地蔵さんをまつった小さな祠がある。太平洋戦争中は全国各地からお参りが続き、近くの人が「弾よけの護符」を出し、祭煙の絶えることがなかったが、平和ないまは、合格析願の学生や地元のわずかな信者がお参りするだけ。

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子育てイチョウ ~古座川町三尾川~

 三尾川の光泉寺に樹齢400年、樹高27メートル、幹回り6メートルという、県内最大のイチョウの巨木がある。そばに「気根(乳)に手をふれて、一心不乱に祈念するとき、日下俊斉翁の古事にのっとり、樹勢の力を得て霊験あらたか」との説明板。名づけて「子育て公孫樹」。

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一枚岩 ~古座川町相瀬~

 清らかな流れを誇る古座川。その両岸に迫る奇岩、景峰のうちでも最高の圧観は、高さ100メートル、幅が500メートルの大岩山。流れにそって、屏風のようにそそり立つ「一枚岩」に、こんな話がある。

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うるしが渕 ~古座川町月野瀬~

 古座川の清流が巨岩にぶつかり、深渕をなしているところがある。これを「うるしが渕」という。

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大師の湯 ~古座川町月野瀬~

 古座川ぞいの山峡は、神経痛や傷などに効く鉱泉が豊富。これをパイプでひいて沸かし、風呂に利用している旅館や民家が多い。別名「才の谷温泉」といい、この地方に多い弘法大師の徳をたたえる伝説がある。

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少女峰 ~古座川町月野瀬~

 古座川岸にあるこの山は、その優し気な名前とはうらはらに、高さ150メートルの、厳しくそそり立つ岩山。愛する人のために短かい生涯を終えた少女の、悲しい物語を秘めている。

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勘九郎(かぐろ)磯 ~古座町(現:串本町)津荷~

 津荷漁港から古座寄りの「津荷の鼻」を回った広い荒磯に、悲恋に散った兄妹の話が残る。

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