生石高原の麓から

和歌山の歴史・文化・伝承などを気ままに書き連ねています

上野廃寺跡(和歌山市上野)

 「和歌山あれやこれや」のカテゴリーでは、和歌山県内各地に伝わる歴史や伝承などを気ままに紹介していきます。

 前回までは奈良時代に整備された南海道沿いの遺跡や史跡を順次紹介してきましたが、今回はそれらより少し前の白鳳時代(645~710※1)に建立されたと考えられている和歌山市上野の「上野廃寺跡(うえの はいじ あと)」を紹介します。
※1 歴史上の区分としては「飛鳥時代」に含まれるとするのが一般的であるものの、大陸文化の影響を受けて独自の文化が成立した時期であるため、美術史などの分野ではこの時期の文化を「白鳳文化」と呼び、その前の「飛鳥文化」、その後の「天平文化」と区分することが一般的となっている。このため、本来は美術史上の区分であった「白鳳文化」が花開いた時期を指して「白鳳時代」とする呼称もしばしば用いられている。
白鳳時代とは - コトバンク

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和歌の浦(和歌山市和歌浦南ほか)

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 前回は、「紀伊国と「大和国」との国境にあたる「真土(まつち)の飛び越え※1」について紹介しましたが、今回はここから南海道を西に向かい、紀伊国の北西端近くに位置する「和歌の浦」について紹介します。
※1 正確には当時の国境ではない。詳細については前項参照。

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真土の飛び越え(橋本市隅田町)

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 前回、前々回は、奈良時代紀伊国を治め、あるいは守護するために国家事業として建立された「紀伊国」及び「紀伊国分寺」を紹介しましたが、今回はこの「紀伊国」と「大和国」との境界にあたる「真土(まつち)の飛び越え」を紹介します。

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紀伊国分寺跡(紀の川市東国分)

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  前回は、奈良時代(710年~794年)に成立した律令制に基づき紀伊国を管理するために設けられた役所「紀伊国」の遺構と考えられる遺跡が、和歌山市府中の「府守神社(ふもりじんじゃ)」の近くで発見されたことを紹介しました。今回は、「国府」とともに全国に建立された施設である「国分寺」のひとつ、「紀伊国分寺(きい こくぶんじ)」を紹介します。

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紀伊国府跡(和歌山市府中)

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 前回、前々回は縄文時代の遺跡である高山寺貝塚鳴神貝塚を紹介し、それ以前は古墳時代の遺跡を順次紹介してきたところですが、今回は少し時代を下って奈良時代の遺跡である「紀伊国府跡(きい こくふ あと)」を紹介したいと思います。

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高山寺貝塚(田辺市稲成町)

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 前回は、近畿で最初に発見された縄文時代貝塚鳴神貝塚(なるかみ かいづか)」を紹介しましたが、今回はこれに勝るとも劣らないほどの重要性を持つ同時代の遺跡「高山寺貝塚(こうざんじ かいづか)」を紹介します。

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鳴神貝塚(和歌山市鳴神)

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 前回までは、和歌山県にまつわる古事記日本書紀に描かれた物語や、これとほぼ同時代の出来事であったと考えられている古墳の築造や古墳時代の遺跡などについて順次紹介してきましたが、今回は、これよりかなり時代を遡った昔、縄文時代の遺跡である「鳴神貝塚(なるかみ かいづか)」について紹介します。

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隅田八幡神社所蔵「人物画像鏡」(橋本市隅田)

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  前回は橋本市古佐田にある和歌山県最大の円墳「陵山(みささぎやま)古墳」を紹介しましたが、今回は同古墳の築造とほぼ同じ時期に製作されたと見られている隅田(すだ)八幡神社所蔵の人物画像鏡を紹介します。
 この鏡の背部には漢字48字からなる文章が刻まれており、これが我が国の古代史上極めて重要な資料であることから、国宝に指定されています(国宝としての指定名称は「人物画象鏡」となっており「象」の字が異なる点に注意が必要です)

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陵山(みささぎやま)古墳(橋本市古佐田)

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 前回までは紀の川河口部に築造された古墳を中心とする遺跡を順次紹介してきましたが、今回は紀の川上流の橋本市にある古墳「陵山(みささぎやま)古墳」を紹介します。
 以前紹介した「天王塚古墳」は和歌山県最大の前方後円墳でしたが、この陵山古墳和歌山県最大の円墳であると言われています。

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平井津と古代の海上交通(和歌山市平井)

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 前回までは紀の川河口部北岸にある古墳時代の遺跡を紹介してきましたが、今回は、これらの遺跡群が造られた背景として、当時の海上交通の状況と、それを支えた拠点である港(平井津)について紹介していきます。

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